20歳の大学生の方から、ご自身の大学生活や将来への不安、自己肯定感の低さについてご相談がありました。「大学生活で何も誇れるものがなく、将来への不安でいっぱい。就活も不安で、このままでは就職できないのではないか」とのお悩みです。 大学生活での経験や、得意なこと、苦手なこと、将来への漠然とした不安など、様々な思いを丁寧に語ってくださいました。 これから、大学生活と就職活動について、一緒に考えていきましょう。
大学生活、本当に充実していましたか? 過去の経験を再評価してみましょう
「大学生活で何も誇れるものがない」と感じる、わかります。私も大学生の頃、似たような経験をしました。必死に勉強したつもりでも、結果が伴わないこと、サークル活動やアルバイトでも中途半端な結果に終わってしまったこと…振り返ると、自己肯定感が下がる出来事ばかりだったように感じますよね。でも、少し視点を変えてみましょう。 ご自身が「中途半端だった」と感じている経験も、実は貴重な学びの機会だったはずです。
例えば、サークル活動で「とことん努力して極められたかと言われるとそうは思えない」とありましたが、活動に参加し続けたこと自体、継続力を示しています。人見知りで深いつながりを築けなかったとしても、積極的に参加しようとした努力は評価できます。 飲食店でのアルバイトでは、不器用さやうっかりミスを経験したことで、自分の弱点を理解することができました。これは、社会に出る上で非常に大切なことです。 委員会活動でうまくいかなくても、新しいことに挑戦する勇気と、改善しようと努力した経験は、大きな財産になります。
TOEIC900点以上という素晴らしいスコアも、ご自身の努力の証です。国立大学に通っていることも、ご自身の努力と能力の高さを示しています。これらの成果を、単なる「大学名」や「資格」としてではなく、ご自身の努力と能力の証明として捉え直してみましょう。 過去の経験を、ネガティブな面だけでなく、ポジティブな面にも目を向けて再評価することで、自信を取り戻せるはずです。
就活で不利になるのは「何もない」ことではなく「自己PRができない」こと
「何もない人」なんてことはありません! 就活で不利になるのは、「何もない」ことではなく、その「何もない」状態をうまく説明できないこと、つまり自己PRができないことです。 多くの企業は、学力や資格だけでなく、あなたの個性や経験、成長力を見極めようとしています。 「勉強は嫌いだけど、点をとるのが得意」「人見知りだけど、積極的にサークルに参加した」「不器用だけど、アルバイトを継続した」…これらの経験は、あなたの強みや弱み、そして成長過程を物語っています。
例えば、ある企業では、「粘り強さ」を評価するかもしれません。 勉強が苦手でも、TOEIC900点という高いスコアを獲得したという事実、そして国立大学に合格したという事実は、目標達成への粘り強さを示しています。 また、アルバイトでミスをしても、それを改善しようと努力した経験は、責任感や成長力を評価する企業にとって魅力的なポイントになるでしょう。 重要なのは、過去の経験をただ羅列するのではなく、そこから何を学び、どのように成長したのかを明確に伝えることです。
自己PRを作成する際には、STAR法を活用してみましょう。 Situation(状況)、Task(課題)、Action(行動)、Result(結果)の4つの要素を明確に記述することで、あなたの経験を効果的に伝えられます。 例えば、アルバイトでミスをした経験を、STAR法を使って自己PRに落とし込むことができます。 「Situation:忙しい時間帯に、うっかりミスをしてしまった」「Task:お客様に迷惑をかけた状況を改善する」「Action:ミスを繰り返さないよう、作業手順を見直し、チェック体制を強化した」「Result:ミスは減り、お客様からのクレームもなくなった」といった具合です。
将来の夢が見つからないあなたへ。強みを活かせる就職先を見つけよう
「何が本当にしたいのかわからない」というお気持ち、よくわかります。 将来の夢が明確にないまま、就活に臨むのは不安ですよね。 しかし、「やりたいこと」が見つからないからといって、就活を諦める必要はありません。 まずは、あなたの強みを活かせる仕事を探してみましょう。
あなたは、勉強が得意で、TOEICのスコアも高いです。これは、高い学習能力と英語力を示しています。 芸術関係に興味があるとのことですが、デザイン系の仕事以外にも、これらの強みを活かせる仕事はたくさんあります。 例えば、貿易関連の企業や国際的な業務を行う企業など、英語力を活かせる仕事は数多く存在します。 また、分析力や問題解決能力を必要とする仕事も、あなたの強みを活かせる可能性があります。 事務職やデータ分析関連の仕事なども検討してみる価値があるでしょう。
就職活動では、「やりたいこと」よりも「できること」を重視することも有効です。 「できること」を基盤にキャリアを築きながら、「やりたいこと」を見つけることも可能です。 中小企業の中には、社会人野球クラブチームへの所属を支援したり、現役選手としての活動を配慮したりする企業もあります。もし、野球を続けながら働きたいと考えているのであれば、そのような企業を探してみるのも良いかもしれません。 一般社団法人大学野球支援機構では、そのような企業との連携にも力を入れています。
大切なのは、焦らず、じっくりと自分自身と向き合い、自分に合った仕事を見つけることです。 就活は、自分自身を知るための貴重な機会でもあります。 この機会を活かして、あなたの可能性を最大限に引き出せる仕事を見つけましょう。