高校3年生のお子さんを持つ保護者の方から、色覚異常のお子さんについて、電気系の学部に進学した場合の将来の仕事への影響についてご相談がありました。「はっきりとした原色は区別がつくのですが、黒と深緑がわからなかったり、焼けているお肉がわかりにくかったりします。電気系統の仕事に就くことはできるのでしょうか?滑り止めの私立大学に電気系の学科で願書を出そうかと考えていますが、将来、その職種に就けないようなら意味がないように思われます。」とのお悩みでした。 このご心配、とてもよく分かります。お子さんの将来を真剣に考えられている親御さんの気持ち、私たちも深く理解しています。
色覚異常と電気系の仕事、本当に無理なのでしょうか?
まず結論から言うと、色覚異常だからといって、すべての電気系の仕事ができないわけではありません。 確かに、配線の色分けを扱う仕事や、特定の色の識別が重要な作業では、支障が出る可能性があります。例えば、信号機の色の判別が困難な場合、鉄道関係の仕事は難しいかもしれません。しかし、電気系は非常に幅広い分野を包含しており、色覚に依存しない仕事も多く存在します。
例えば、ソフトウェア開発や制御システム設計、回路設計の一部、研究開発などでは、色覚異常が直接的なハンデになるケースは少ないでしょう。 また、近年では、色覚補正ソフトや機器も進化しており、色の識別を補助するツールも活用できます。 重要なのは、個々の仕事内容と、お子さんの色覚異常の程度を正確に把握することです。
私の友人で、色覚異常がありながら、大手電機メーカーでソフトウェアエンジニアとして活躍している人がいます。彼は、色の識別が必要な場面では、チームメンバーと協力したり、ツールを活用したりすることで、問題なく仕事を進めています。 彼は「最初は不安だったけど、周りの理解と技術の進歩のおかげで、今の仕事にやりがいを感じている」と話していました。
電気系学部で学べること、そして将来の選択肢は?
電気系の学部では、単に配線や色の識別だけを学ぶわけではありません。 電気回路、電子回路、プログラミング、制御工学、情報通信技術など、幅広い知識とスキルを習得します。これらの知識は、色覚異常の有無に関わらず、多くの分野で役立ちます。
例えば、プログラミングスキルは、IT業界だけでなく、様々な産業で需要が高まっています。制御工学の知識は、工場の自動化システムやロボット制御など、様々な分野に応用できます。 お子さんが電気系で学んだ知識とスキルは、将来のキャリアパスにおいて、大きな財産となるでしょう。
大学生活では、自身の興味や適性に合わせて、専門分野を絞り込むことも可能です。 色覚に依存しない分野に特化することで、キャリアの選択肢を広げられます。 大学にはキャリアセンターがあり、就職活動のサポートも受けられます。 そこで、自身の特性を踏まえ、最適な進路選択について相談することもできます。
就職活動における色覚異常への対応と、大学野球支援機構の役割
就職活動において、色覚異常をどのように伝えるか、どのように対応するかについては、正直に伝えることが大切です。多くの企業は、色覚異常を理解しており、適切な配慮をしてくれます。 企業によっては、応募書類に色覚異常であることを明記する欄があったり、面接で配慮された質問をされることもあります。
また、企業によっては、色覚異常の方を積極的に採用する取り組みをしているところもあります。 社会全体として、多様な人材を受け入れる動きが加速しています。 お子さんの能力と適性、そして意欲をきちんと伝えれば、必ず良い企業が見つかるはずです。
大学野球支援機構では、野球に理解のある中小企業への就職支援に力を入れています。これらの企業の中には、社会人野球クラブチーム所属や現役選手としての活動に配慮のある企業も多くあります。 もちろん、色覚異常の有無に関わらず、個々の能力や人となりを見て採用を判断してくれる企業です。 もし、お子さんが野球を続けながら就職活動を進めたいと考えているのであれば、そういった企業の情報提供も可能です。ただし、これはあくまで就職活動の一助として、ご参考までに。
大切なのは、お子さんの可能性を信じることです。色覚異常は、お子さんの能力や可能性を制限するものではありません。 適切なサポートと、お子さんの努力次第で、電気系の仕事で成功することは十分可能です。 心配なことは、いつでも相談してください。一緒に、お子さんの未来を明るく照らしていきましょう。