先日、15歳の中学生から将来の進路について相談がありました。「将来はアニメ関係の仕事に就きたい。でも、理系?文系?絵が上手くないとダメ?製作進行は本当にキツイの?必要な資格はあるの?」といった、不安と疑問が入り混じった相談内容でした。そこで、今回はアニメ業界を目指す皆さん、特に大学野球部員やそのご家族のために、アニメ業界の現状と、大学生活や野球との両立についてお話ししたいと思います。
アニメ業界は理系?文系?必要な学部は?
「アニメ業界って、理系?文系?何学部がいいの?」悩みますよね。実は、アニメ業界は文系、理系問わず、様々な学部出身者が活躍しています。絵を描く仕事はもちろん、企画、演出、脚本、音楽、制作進行など、多様な職種があるためです。
例えば、絵が得意な人は美術学部出身者が多く、企画や演出は文学部や社会学部出身者もいます。さらに、プログラミングスキルが必要な職種では情報系学部出身者が活躍しています。 私の友人で、大学時代は野球部に所属しながら、情報系の学部でプログラミングを学んで、卒業後にアニメ制作会社で3DCG制作の仕事に就いた人がいます。彼は、野球部の厳しい練習で培った忍耐力とチームワーク力が、仕事でも大いに役立っていると話していました。
つまり、特定の学部に限定されるわけではなく、自分の興味や得意分野、将来目指す職種によって最適な学部は変わってきます。 重要なのは、アニメ業界への強い情熱と、目標達成に向けて努力を続ける姿勢です。大学生活では、専門的なスキルを磨くだけでなく、コミュニケーション能力や問題解決能力を養うことも大切です。野球部活動を通して培ってきたこれらの能力は、アニメ業界でも大きな武器になります。
絵が下手でもアニメ業界で働ける?
「絵が上手くないとダメ?」これもよくある心配事ですよね。わかります。私も学生時代は絵が苦手で、かなり悩みました。でも、絵の腕前は必ずしも必須条件ではありません。もちろん、アニメーターとして活躍するには高い画力が必要ですが、アニメ業界には絵を描く以外の仕事もたくさんあります。
例えば、企画、演出、脚本、制作進行、広報、経理など、絵を描くスキルがなくても活躍できる職種はたくさんあります。 さらに、絵が得意ではないとしても、努力次第でスキルアップは可能です。大学には美術系の講座やサークルもありますし、独学で学ぶ方法もたくさんあります。大切なのは、継続して努力することです。大学野球部員であれば、厳しい練習の中で培ってきた忍耐力や継続力は、絵の練習にも活かせるはずです。
また、チームで仕事をすることが多いアニメ業界では、コミュニケーション能力や協調性も重要です。大学野球部での経験は、これらの能力を磨く上で非常に役立ちます。チームメイトと協力して目標を達成する経験は、アニメ制作現場でも大きな強みとなるでしょう。
製作進行は本当にキツイ?全員が経験する?
「製作進行はキツイ」というのは事実です。長時間労働や責任の重さは、他の職種と比べても高いと言われています。しかし、全ての社員が製作進行を経験するわけではありません。制作進行は、アニメ制作全体のスケジュール管理や調整を行う重要な役割ですが、他の職種に進む人も多くいます。
さらに、近年では、アニメ業界でも働き方改革が進められており、長時間労働の改善に努めている企業も増えています。もちろん、依然として厳しい面はありますが、企業選びも重要です。働き方改革に積極的に取り組んでいる企業を選ぶことで、より働きやすい環境を選ぶことができます。
大学野球部員であれば、厳しい練習や試合を通して、時間管理能力や責任感、そして困難な状況にも対応できる能力を身につけているはずです。これらの能力は、製作進行の仕事にも役立ち、むしろ他の職種の人よりもスムーズに適応できる可能性があります。
アニメ業界で働くために必要な免許・資格は?
アニメ業界で働くために必須の免許や資格はありません。ただし、職種によっては、役立つ資格やスキルがあります。例えば、3DCG制作には関連するソフトのスキル、編集業務には映像編集ソフトのスキルが必要となるでしょう。これらのスキルは、専門学校や大学で学ぶこともできますし、独学で学ぶことも可能です。
また、英語力も、海外との仕事が増えているアニメ業界では重要なスキルとなっています。大学で英語を学ぶことは、将来のキャリアパスを広げる上で大きなメリットになります。 大学野球部員であれば、チームメイトとのコミュニケーションや、監督やコーチからの指示を理解する中で、コミュニケーション能力を高めることができます。これは、英語学習にも活かすことができるでしょう。
最後に、大学野球部員がアニメ業界を目指す上で、大学野球支援機構が、野球に理解のある中小企業への就職支援を行っていることを付け加えておきます。 もちろん、アニメ業界への就職を直接支援するものではありませんが、野球経験を活かせる企業との出会いの場を提供できる可能性があります。