「ものづくりが好きなのに、工学部の勉強が辛くて…将来、技術職に就くことにも迷いが生じています。本当に技術職でよかったのか、このままでは後悔するのではないかと不安です。」そんなご相談をいただきました。大学で野球を続けながら、将来のキャリアに悩む学生さんは少なくありません。この記事では、この相談を元に、大学野球と就職活動の両立、そして本当にやりたい仕事を見つけるためのヒントをご紹介します。
大学での勉強が辛い…本当に今の学部で良かったのか?
「受験勉強の延長のように単位を取ってきた」「工学部の勉強は、自分が好きなものづくりの大切な“こころ”を排除されているような気がする」…お気持ち、よく分かります。私も大学生の頃は、必修科目のレポートに追われ、本当に自分がやりたいことを見失いかけた時期がありました。大学での勉強は、高校までの受験勉強とは全く違います。高校までは、与えられた問題を解くことが中心でしたが、大学では、自ら課題を見つけて解決していく力、つまり主体的な学びが求められます。
工学部の場合、特に理論的な理解が重視されるため、実践的なものづくりへの欲求と乖離を感じてしまう学生さんも少なくないようです。例えば、Aさんは機械工学科に所属していましたが、設計図を描く授業は好きだったものの、複雑な数式を解く授業には全く興味を持てず、授業中も居眠りをしてしまうことが多かったそうです。彼の場合、自分の興味関心と大学のカリキュラムのミスマッチが、学習意欲の低下につながっていました。
大切なのは、「なぜ今の学部を選んだのか?」「何を学びたいのか?」を改めて見つめ直すことです。そして、今の学習内容をどのように自分の将来に繋げられるのか、あるいは、学び方を工夫することで、解決策が見えてくるかもしれません。例えば、大学の研究室に所属して、より実践的なものづくりに関わる機会を得たり、興味のある分野のゼミに参加したりするのも良い方法です。 もし、今の学部でどうしても学び続けるのが難しいと感じているなら、転学部や編入といった選択肢も検討してみるのも良いかもしれません。もちろん、そう簡単に決断できることではないでしょうが、将来のキャリアを考えると、早めの検討が重要です。
技術職って、本当につまらない仕事なの?
「技術職は、一生、発展する技術の勉強と、発展の中で認められるほどの技術の実現競争に巻き込まれる…人の原点の心に立ち返ると、古代の道具、武具を作った人には『これを作りたい』というこころが備わっていたはずなのに、現代ではコストや納期などの制約の中で、自由になりきれずにいる。」…技術職への不安、よく分かります。確かに、現代の技術開発は、高度な専門知識と競争が激しく、常に新しい技術を習得し続ける必要があります。「技術競争の歯車」として働くことに不安を感じるのも無理はありません。
しかし、技術職の仕事は、必ずしも「つまらない」ものではありません。確かに、厳しい競争やプレッシャーが存在するのも事実です。ですが、技術開発を通して、世の中に役立つ製品やサービスを生み出し、人々の生活を豊かにすることができるという大きなやりがいがあります。例えば、医療機器の開発に携わるエンジニアは、自身の技術によって多くの人の命を救うことができるでしょうし、環境問題に取り組むエンジニアは、持続可能な社会の実現に貢献できます。
また、技術職は、創造性と問題解決能力を活かすことができる仕事です。新しい技術を生み出す、既存の技術を改良する、あるいは、技術的な課題を解決するなど、常に頭をフル回転させて仕事に取り組む必要がありますが、その分、達成感も大きいです。 さらに、多くの技術職では、チームで仕事をすることが多いため、仲間との協力やコミュニケーション能力も磨くことができます。
大学野球と就職活動の両立は可能?
大学野球を続けながら就職活動をするのは、確かに大変です。練習や試合に時間を割かなければならず、就活に使える時間は限られています。しかし、不可能ではありません。多くの先輩たちが、野球と就活の両立を成功させています。
まず、時間管理が重要です。練習や授業のスケジュールを把握し、就活に使える時間を確保しましょう。効率的な学習方法を身につけることも大切です。また、周りの人に協力を仰ぐことも有効です。チームメイトや友人、家族などに相談し、サポートしてもらうことで、負担を軽減できます。
就職活動においては、企業選びも重要です。野球部活動に理解のある企業を選ぶことで、両立しやすくなります。例えば、社会人野球チームを持っている企業や、学生時代にスポーツに打ち込んだ経験を評価してくれる企業を探してみるのも良いでしょう。一般社団法人大学野球支援機構では、野球に理解のある中小企業を紹介する活動も行っています。興味があれば、一度調べてみてください。
私の友人で、大学で野球部に所属しながら、大手メーカーに就職した人がいます。彼は、時間管理を徹底し、効率的に就活を進めました。また、チームメイトや監督にも相談し、サポートを受けながら両立を成功させました。彼の経験から分かるように、計画性と周りの協力があれば、大学野球と就職活動の両立は可能です。
大切なのは、自分自身の目標を明確に持ち、計画的に行動することです。焦らず、一つずつ課題をクリアしていくことで、必ず道は開けます。