「娘が大学に通わず、就職したいと言い出しました。通学の負担と体調不良を理由にしていますが、私たちは大学を卒業してほしいと思っています。どうすれば娘を大学に通わせる事ができるでしょうか？」　多くの親御さんが抱える、お子さんの進路に関する悩み。この相談、私たち大学野球支援機構にも、少し形は違えど、似たような相談が寄せられます。今回は、この相談を元に、大学生活と進路選択における課題と、その解決策について考えてみましょう。

大学に通えない理由…本当に「甘え」だけ？

まず、娘さんの「大学に行きたくない」という気持ちの背景を深く理解することが大切です。通学時間3時間…それは想像を絶する負担ですよね。毎日、往復6時間もの時間を移動に費やすのですから、体力的にも精神的にも大きなストレスになります。さらに、吐き気や震えといった症状も出ているとのこと。これは単なる「甘え」ではなく、深刻な身体的・精神的な問題を抱えている可能性が高いです。 「酔い止めを飲め」「耐えろ」といった言葉は、娘さんの苦しみを軽視しているように聞こえてしまうかもしれません。 私もかつて、大学時代の部活動で過度な練習による疲労から体調を崩した経験があります。その時の辛さは、言葉では言い表せないほどでした。娘さんの辛さは、想像以上に大きいのではないでしょうか。

例えば、私の友人で、地方から首都圏の大学に通っていた者がいました。彼は、毎日の長時間の通学と学業、部活動の両立に苦しみ、最終的に体調を崩して休学せざるを得ませんでした。彼の場合は、大学側に相談し、サポート体制を整えてもらうことで、復学することができました。娘さんの場合も、大学の学生相談室や保健室に相談してみることをお勧めします。専門家のアドバイスを受けることで、娘さんの抱える問題を客観的に見極め、適切な解決策を見つけることができるかもしれません。

また、娘さんが就職先を見つけたという事実にも注目しましょう。酪農関係の仕事、そして寮があるとのこと。これは、娘さんが自立したい、自分の力で生きていきたいという強い意志の表れかもしれません。親御さんの期待に応えられない苦しみと、将来への不安が、娘さんを突き動かしているのではないでしょうか。親として、娘さんの気持ちに寄り添い、じっくりと話を聞いてあげることが重要です。

親御さんの怒り…どうすればコントロールできますか？

親御さんの気持ちもよく分かります。せっかく大学に入学させたのに、通学せず、就職したいと言い出す娘さんに対して、怒りや失望を感じるのは当然のことです。しかし、怒りをぶつける前に、まずは娘さんの気持ちを理解しようと努めることが大切です。娘さんの言葉の裏にある真意を汲み取ろうとする姿勢が、娘さんとの良好なコミュニケーションの第一歩となるでしょう。 「高卒だと不便だ」「社会に通用しない」といった言葉は、娘さんにとって、さらに追い打ちをかけるものになってしまうかもしれません。娘さんの将来を真剣に考え、より良い解決策を探るために、まずは冷静さを保つことが重要です。

例えば、主人が就職先へ電話して断ってしまったこと。これは、娘さんにとって大きなショックだったはずです。親として娘さんの将来を心配する気持ちは分かりますが、一方的に決定してしまうのではなく、娘さんと話し合い、合意形成を図ることが重要です。娘さんの気持ちを受け止め、将来の選択肢について一緒に考える時間を持つことで、娘さんの心を落ち着かせ、信頼関係を築き直すことができるかもしれません。

親御さん自身も、専門機関に相談してみるのも良いかもしれません。子育てに関する相談窓口やカウンセリングサービスを利用することで、冷静な判断力を取り戻し、より効果的な対応ができるようになるでしょう。親御さん自身の心のケアも、非常に大切です。

娘さんの将来…大学以外にどんな選択肢がある？

娘さんが大学に通えないとしても、将来の選択肢は決して一つではありません。大学卒業だけが成功の道ではないことを、親御さんも理解する必要があります。娘さんの興味や才能、そして体力や健康状態を考慮した上で、最適な進路を一緒に探っていくことが大切です。例えば、専門学校への進学や、職業訓練校でのスキルアップなども検討できます。娘さんが興味を持った酪農の仕事も、可能性の一つとして真剣に検討してみるべきです。 もちろん、大学中退後の就職活動は、容易ではありませんが、大学野球支援機構では、野球に理解のある企業への就職支援も行っています。これは、大学を卒業していない方にも門戸が開かれている可能性があります。もちろん、就職活動は容易ではありませんが、娘さんの強みや適性、そして将来のビジョンを明確にすることで、より良い結果が期待できるでしょう。

また、娘さんが大学を中退した場合、奨学金の返済問題も発生する可能性があります。奨学金制度や返済方法について、大学や奨学金提供機関に相談し、具体的な返済計画を立てることが重要です。焦らず、一つずつ問題を解決していくことで、娘さんの将来への不安を軽減することができます。

大切なのは、娘さんとじっくりと話し合い、娘さんの気持ちに寄り添いながら、将来の選択肢を一緒に考えていくことです。親御さんのサポートが、娘さんの未来を大きく左右することを忘れないでください。