「大学スポーツ推薦について質問です。高校生アスリートの方にお答えいただけると嬉しいです。陸上競技(長距離)で青学を蹴って駒澤に行く、野球で国学院を蹴って亜細亜に行く、ラグビーで立教を蹴って帝京に行く…これ普通にありますか?一般受験なら必ず前者を選ぶと思います。スポーツ選手を引退した後、一般社会人になったとき、最終学歴はやはり重要だと思います。でもやはり、ワールドカップやオリンピック、またはプロになる夢を第一義とし、ふさわしい環境に身を置くことを優先するのでしょうか?進路を決めるとき、何を基準に決断するのでしょうか?」 この質問、多くの高校生アスリートとそのご家族が抱える葛藤をよく表していると思います。将来のキャリアと、目の前の夢、どちらを優先すべきか…本当に悩ましいですよね。
大学選び、学力と競技レベル、どっちが大切?
確かに、一般受験であれば、知名度や就職実績で上位の大学を選ぶのが一般的でしょう。しかし、スポーツ推薦の場合、話は少し違います。学力も重要ですが、競技レベルを向上させるための環境が、それ以上に重要になるケースが多いのです。例えば、野球であれば、強豪校でしのぎを削り、高いレベルの指導を受けられる環境が、将来のプロ野球選手を目指す上で大きなアドバンテージとなる場合があります。 私の友人で、地元の強豪校から、全国的に知名度の高い大学ではなく、特定のポジションの指導に定評のある大学に進学した選手がいました。彼は、その大学でめきめきと力をつけ、プロ入りを果たしました。大学名よりも、自分に合った環境を選ぶことが、彼の成功の鍵だったと言えるでしょう。
もちろん、学力も軽視できるわけではありません。大学生活では、競技活動だけでなく、勉学にも励む必要があります。特に、プロ入りが叶わなかった場合、将来のキャリアを考える上で、大学での学びは大きな財産となります。バランス感覚が重要なのです。進路を決める際には、大学側の指導体制、練習環境、そして、自分の学力と将来のキャリアプランを総合的に判断する必要があるでしょう。
プロへの道と将来のキャリア、両立は可能?
「プロになる夢を第一義とする」という考え方も、もちろん理解できます。しかし、プロになれるのはほんの一握りです。現実的に、大学卒業後にプロの世界で活躍できるのはごくわずか。だからこそ、プロを目指す過程で、将来のキャリアプランも同時に考えておくことが大切です。もしプロ入りが叶わなくても、後悔しない選択をするためには、どうすれば良いのでしょうか?
例えば、大学時代にインターンシップに参加したり、資格取得を目指したりすることで、将来のキャリアに繋がるスキルを身につけることができます。また、大学によっては、スポーツ推薦の学生を対象とした就職支援プログラムを用意しているところもあります。そういった制度を活用することで、卒業後の進路をスムーズに考えることができます。中には、社会人野球クラブチーム所属や現役選手としての活動に配慮のある企業を紹介してくれる大学や機関もあるかもしれません。将来のキャリアを視野に入れ、大学生活をどのように送るか、しっかりと計画を立てておくことが重要です。
大学選びの基準、あなたは何を優先する?
最終的に、大学を選ぶ基準は人それぞれです。「将来のキャリアを重視する」「競技レベルを優先する」「大学生活全体を充実させたい」など、様々な価値観があります。大切なのは、自分の夢や目標、そして将来のキャリアプランをしっかりと考え、自分にとって最適な大学を選ぶことです。そして、その選択に後悔しないように、大学生活を最大限に活かす努力をすることでしょう。
大学進学は人生における大きな転換期です。迷うこと、悩むことは当然です。周囲の意見を聞きつつも、最終的な決断は自分自身で下す必要があります。誰にも相談できない、一人で抱え込んでいる…そんな時は、信頼できる友人や家族、そして、必要であれば、キャリアカウンセラーなどに相談してみるのも良いでしょう。多くの選択肢の中から、自分にとって最適な道を見つけるために、じっくりと時間をかけて考え、後悔のない選択をしてください。
大学野球支援機構では、大学野球部員の皆さんと、そのご家族を応援しています。将来の進路に迷っている方は、ぜひ、自分自身とじっくり向き合い、最適な進路を選択してください。そして、その選択を精一杯活かして、充実した大学生活を送ってください。