「もう過去の栄光ですが、私は県でトップの進学校に進学し、勉強に励んできました。しかし過呼吸の発作によりまともに試験を受けられず、目指していた京都大には届かずに、浪人となりました。のち、不安神経症・強迫神経症・抑うつ神経症にまいり、治療を続け、二十歳になったこともありバイトを始めました。バイトは上司の片腕として頼りにされながら二年続けましたが、病気について打ち明けたところ、偏見やデリカシーのない発言を受け、病状が悪化し、短期間休職ののち、退職しました。その後新たにバイトに挑戦しましたが、4ヶ月程しか続かず、夏より無職となりました。挫折し、高卒となってしまったこと、正社員として就職できていないことを悔いています。バイトでもいいので働かなくてはとも思っています。今後どのように道を切り開いていけばいいものか悩んでいます。」 この相談、私たちも胸が締め付けられる思いで受け止めました。優秀な成績を収め、将来への希望に満ちていたはずのあなたが、今、このような状況にあること、そしてその苦悩を想像すると、私たちも一緒に考えずにはいられません。
過去の経験は、あなたの強みになりますか?
まず、大切なのは過去の経験を否定しないことです。トップレベルの進学校で学んだ経験、そしてバイトで上司の片腕として活躍できた経験は、あなたの能力の高さを証明しています。病気によって中断を余儀なくされたとしても、それらは決して無駄にはなりません。むしろ、困難を乗り越えようとするあなたの粘り強さ、責任感、高い学習能力を示す貴重な経験です。これらの経験は、将来、どんな仕事に就くにしても、必ずあなたの強みとなるでしょう。
例えば、私が以前サポートした学生の中には、スポーツで大きなケガを負い、一度は競技を諦めざるを得なかったにも関わらず、リハビリを続け、違う分野で活躍している人がいます。その経験から培われた忍耐力や目標達成への強い意志は、彼を大きく成長させました。あなたも、過去の経験から得た学びを活かし、新たな道を切り開くことができるはずです。
そして、病気と向き合ってきた経験も、あなたの大きな財産です。病気の辛さを理解しているからこそ、他の人には気づかない細やかな気配りや、共感力、そして困難な状況でも諦めない強い精神力を持っているはずです。これらの強みは、企業にとって非常に貴重な存在となるでしょう。
就職活動で不利になることはありませんか?
「高卒で、正社員として就職できていないこと」を悔やんでいるとのことですが、決して不利ではありません。企業は、学歴や職歴だけでなく、人となり、能力、ポテンシャルを見極めて採用活動を行っています。あなたの経験は、決してマイナス材料ではなく、むしろプラスに働く可能性も十分にあります。
重要なのは、あなたの強みを効果的に伝えることです。履歴書や面接では、過去の経験を正直に伝えつつ、そこから何を学び、どのように成長したのかを具体的に説明しましょう。例えば、「病気で苦しんだ経験から、人の気持ちに寄り添うことの大切さを学びました」とか、「バイトで得た経験を通して、責任感や問題解決能力を磨きました」といったように、具体的なエピソードを交えて説明することで、あなたの能力や人となりがより明確に伝わります。
また、病気のことを隠す必要はありません。ただし、ネガティブな情報ばかりを伝えるのではなく、病気と闘いながら努力を続けてきたこと、そしてそこから得た学びを強調することで、あなたの粘り強さや忍耐力をアピールできます。病気の経験を克服し、前向きに生きているあなたの姿は、多くの企業にとって魅力的に映るはずです。
もし、就職活動で不安なことがあれば、専門のキャリアカウンセラーに相談してみるのも良いでしょう。彼らは、あなたの強みや弱みを客観的に分析し、就職活動の戦略を立てるお手伝いをしてくれます。中には、大学野球経験者や、病気の経験を持つ人の就職支援に特化したカウンセラーもいます。
どんな仕事を選べばいいのでしょうか?
就職活動では、自分の強みや興味、価値観を踏まえた上で、自分に合った仕事を選ぶことが重要です。これまでの経験から、あなたは責任感があり、粘り強い、共感力の高い人物であることがわかります。これらの強みを活かせる仕事を探してみましょう。
例えば、福祉関連の仕事や教育関連の仕事などは、あなたの共感力やコミュニケーション能力を活かせる可能性があります。また、営業職やサービス業などは、責任感と粘り強さが求められる仕事です。もちろん、これ以外にも、あなたの興味や適性に合わせて様々な選択肢があります。
中小企業の中には、社会人野球クラブチーム所属や現役選手としての活動に配慮のある企業も多く存在します。もし、野球を続けながら働きたいと考えているのであれば、そのような企業を探してみるのも良いかもしれません。大学野球支援機構では、そのような企業との連携を強化しており、就職活動に関する情報を提供しています。ただし、焦らず、じっくりと自分に合った仕事を見つけることが大切です。
大切なのは、あなたらしさです。あなたの経験、強み、そして価値観を大切にしながら、自分らしいキャリアを築いていってください。そして、もし行き詰まった時は、一人で抱え込まず、周りの人に相談してみましょう。友人、家族、そして、私たち大学野球支援機構も、あなたの未来を応援しています。