高校3年生で、将来映画美術スタッフを目指しているという相談を受けました。大学進学か専門学校進学かで悩んでおり、特に映画美術科のある大学が見つからないこと、舞台美術と映画美術の違い、現場に学校がある専門学校のメリットについても質問がありました。大学進学を希望するご両親の意向と、ご自身の将来の夢とのバランスに苦慮されている様子が伺えます。野球部員であるという点も、進路選択において考慮すべき要素の一つでしょう。
大学と専門学校、どちらが映画美術スタッフを目指すのに適しているの？
まず、大学と専門学校、どちらが良いかという点ですが、一概にどちらが良いとは言えません。それは、あなたの目標とする「映画美術スタッフ」という職業が、非常に幅広いスキルと経験を必要とする仕事だからです。大学では、映画美術に特化した学科は少ないかもしれません。しかし、美術史やデザイン、建築、歴史など、映画美術に関連する基礎的な知識やスキルを幅広く学ぶことができます。これらの知識は、将来、様々なジャンルの映画制作に携わる際に役立つでしょう。例えば、時代劇の美術を担当する際に、その時代の建築様式や生活様式に関する知識は不可欠です。
一方、専門学校では、実践的なスキルを短期間で習得できるというメリットがあります。現場に近い環境で学ぶことができる学校も多く、卒業後すぐに現場に飛び込める準備が整っていると言えるでしょう。しかし、大学で得られる幅広い教養や知識は、専門学校では得にくい場合があります。例えば、私の友人で、大学で演劇を専攻し、卒業後に映画美術の世界に入った人がいます。彼は、大学で培った演劇に関する知識や人脈が、映画美術の仕事に活かされていると言っていました。
どちらを選ぶかは、あなたの学習スタイルや将来のキャリアプランによって異なります。じっくりと基礎を固め、幅広い知識を身につけたいのであれば大学、実践的なスキルを重視したいのであれば専門学校が適していると言えるでしょう。もちろん、専門学校の中には、高度な知識を学ぶことができる学校もありますし、大学にも実践的な授業を行っているところがあります。
舞台美術と映画美術って、何が違うの？
舞台美術と映画美術は、どちらも美術という枠組みの中でありますが、制作手法や求められるスキルに大きな違いがあります。舞台美術は、観客が直接見て感じる空間を創り出すことが重要です。そのため、大掛かりなセットや照明、そして観客の視線に合わせた演出が求められます。一方、映画美術は、カメラを通して観客に伝えられる空間を創り出すことが重要です。そのため、細部までこだわったセットや小道具、そしてカメラアングルを意識した演出が求められます。どちらも重要な美術分野ですが、求められるスキルや視点が異なることを理解しておくことが大切です。
例えば、同じ「時代劇の町並み」を作るにしても、舞台美術では、観客から見える範囲のセットを精巧に作り、照明で雰囲気を演出します。一方、映画美術では、カメラが捉える範囲だけでなく、カメラが動いた時に見える背景や、役者が触れる小道具など、細部まで緻密に作り込む必要があります。また、映画美術では、CG技術との連携も重要になってきています。
あなたの目標が映画美術スタッフであるならば、映画美術に特化した専門学校や、映画制作に携わる機会が多い大学を選ぶことが重要です。大学の場合、映画制作に関連するサークルや研究室に参加することで、実践的な経験を積むことができるかもしれません。
野球部活動と学業、そして将来の夢を両立させるには？
野球部員として活動しながら、学業と将来の夢を両立させるのは大変なことです。わかります。私もかつてはそうでした。時間管理が鍵になります。まず、綿密なスケジュール管理を行い、部活動、学業、そして将来の夢に向けた学習をバランス良く行うようにしましょう。例えば、通学時間や空き時間を有効活用して、映画に関する書籍を読んだり、美術に関する作品を鑑賞したりする時間を確保するのも良いでしょう。
また、周りの人に協力を仰ぐことも大切です。チームメイトや友人、先生、そしてご家族に、あなたの状況を伝え、理解と協力を得るようにしましょう。特に、ご両親には、あなたの夢を理解してもらい、進路選択について相談することが重要です。あなたの熱意と努力を伝えれば、きっと理解してくれるはずです。
さらに、効率的な学習方法を身につけることも重要です。例えば、集中して学習できる時間帯を把握し、その時間帯に重要な科目の勉強を行うなど、工夫を凝らしてみましょう。そして、定期的に自分の進捗状況を確認し、必要に応じて計画を見直すことも大切です。目標達成のためには、柔軟な対応が不可欠です。
もし、就職活動において、野球経験を活かせる企業を探したいと考えているなら、一般社団法人大学野球支援機構のような組織がサポートしてくれるかもしれません。彼らは、野球に理解のある中小企業との連携を積極的に行っています。もちろん、あなたの夢を叶えるための第一歩は、大学や専門学校選びから始まります。焦らず、じっくりと時間をかけて、あなたにとって最適な進路を選択してください。