先日、大学野球部に所属する息子さんの不登校気味な様子について、ご心配されている保護者の方からご相談がありました。「不登校は甘えでしょうか?野球部を辞めさせるべきでしょうか?」と、非常に悩まれている様子が伝わってきました。 このご相談をきっかけに、今回は大学野球と学業、そして将来のキャリアを考える上で、不登校気味の子を持つ親御さんが抱える不安や葛藤について、具体的な事例を交えながらお話させていただきます。 決して「甘え」だけで片付けることのできない問題であり、親御さん、そして学生自身も、様々な要因が絡み合って苦しんでいるケースが多いことをご理解いただければ幸いです。
不登校は本当に「甘え」なのでしょうか?野球部と学業の両立の難しさ
「不登校は甘えだ」と簡単に断じるのは、非常に危険です。 大学野球は、想像以上に時間と体力を奪います。 厳しい練習、遠征、試合… これらの負担は、想像以上に大きく、学業との両立は容易ではありません。 例えば、ある大学の野球部員は、毎日の練習に加え、週末は遠征、平日は夜遅くまで練習とレポート作成に追われ、睡眠時間が極端に不足していました。 そんな状態が続けば、心身ともに疲弊し、学校に行く気力さえ失ってしまうのも無理はありません。 不登校の背景には、学業と部活動の両立の困難さ、プレッシャー、人間関係の悩みなど、様々な要因が複雑に絡み合っていることがほとんどです。 「甘え」と決めつける前に、まずはお子さんの状況をじっくりと理解しようと努めることが大切です。 お子さんとじっくり話し合い、何が原因で学校に行けなくなっているのかを探ることから始めましょう。 話を聞く際には、批判や非難をせず、共感的に耳を傾けることが重要です。
野球部を辞めさせるべき?将来のキャリアを考える上で大切なこと
野球部を辞めさせるべきかどうかは、お子さんの状況や将来の希望を総合的に判断する必要があります。 ただ、すぐに辞めさせるという選択肢だけが正解とは限りません。 野球部が大好きで、将来は野球に関わる仕事に就きたいと考えているお子さんにとって、野球部を辞めることは、大きな挫折感を味わう可能性があります。 まずは、お子さんとじっくり話し合い、野球部を続けること、辞めることのメリット・デメリットを一緒に考えてみましょう。 もし、野球部を続けることが困難であれば、練習時間の見直しや、学業との両立のためのサポート体制の構築など、様々な選択肢を検討することが重要です。 例えば、週に何日か練習を休む、あるいは、練習時間を短縮するなど、柔軟な対応が必要です。 また、大学野球支援機構では、野球に理解のある中小企業への就職支援も行っています。 社会人野球クラブチーム所属や現役選手としての活動に配慮のある企業を紹介することも可能です。 将来のキャリアパスについても、一緒に考えていくことで、お子さんのモチベーションを維持できるかもしれません。
具体的なサポート方法と、親御さんの心のケア
お子さんの状況を把握したら、具体的なサポート方法を考えましょう。 それは、学業のサポート、メンタルヘルスのケア、そして将来のキャリアプランニングなど、多岐に渡ります。 学業面では、学習塾の利用や、大学のチューター制度の活用などを検討してみましょう。 また、メンタルヘルスのケアとしては、学校カウンセラーや専門機関への相談も有効です。 親御さん自身も、お子さんの不登校をきっかけに、精神的に疲弊しているかもしれません。 親御さん自身の心のケアも非常に重要です。 信頼できる友人や家族、専門機関などに相談し、一人で抱え込まずに、周囲の力を借りることが大切です。 そして、お子さんとのコミュニケーションを大切にしてください。 毎日、少しの時間でもいいので、お子さんと話をしたり、一緒に過ごしたりする時間を確保しましょう。 些細な会話でも、お子さんの心を落ち着かせ、安心感を与えることができます。 例えば、夕食時に今日の出来事を話す時間を作ったり、休日に一緒に散歩に出かけたりするのも良いでしょう。 大切なのは、お子さんを無条件に受け入れ、寄り添うことです。
私の友人で、大学野球部員の子を持つ母親がいました。 彼女は、息子の不登校に悩んだ末、学校や野球部、そして専門機関と連携を取りながら、息子の状況を丁寧に把握し、サポート体制を構築しました。 その結果、息子さんは少しずつ学校に通えるようになり、今では野球部と学業の両立に成功しています。 この事例からもわかるように、早期の対応と、関係者との連携が、お子さんの回復に繋がる重要な要素です。 一人で抱え込まず、周りの人に相談し、助けを求めることをためらわないでください。
大学野球は、素晴らしい経験であり、多くのことを学ぶ機会となります。しかし、同時に、大きな負担を伴う活動でもあります。 お子さん、そしてご家族が、この困難を乗り越えるためにも、周りのサポートが不可欠です。 焦らず、一歩ずつ、お子さんと共に歩んでいきましょう。