「彼のお付き合いしている人は、小さな個人の税理士会計事務所に勤めています。理系の大学を出たあと、就職せず、資格学校に通って税理士になるための科目を2科目取得して今の事務所に勤めたそうですが、その後、税理士の資格を取得せずに社会人3年目です。その事務所には税理士さん2人しかいないらしく、その先生がいつまでも働くとは限らないし、何かあれば仕事を失うような不安定さがあるのではないかと不安です。また、今の時点では税理士でもないので、ただのパートや一般職のような立場と変わらないのではないかと心配です。…彼のことが大好きですが、堅実な思考の人ではないのかと思うと悲しくなります。」このようなご相談、よく耳にするんです。将来への不安、わかります。

小さな会計事務所の仕事って、実際どうなの？

彼のご状況、多くの大学生、特に野球部出身の皆さんにも通じる部分があるかもしれません。大学生活と野球に打ち込み、卒業後は安定した企業への就職を目指したい、でも、自分の将来像がまだはっきりしない…そんな葛藤を抱えている方は少なくありません。彼のように、税理士資格取得を目指しながら、まずは会計事務所で経験を積むという道を選ぶ人もいるでしょう。 「安定」という言葉は、人によって意味合いが大きく変わるんですよね。一般企業の正社員と、小さな会計事務所の社員、どちらが「安定」しているかは一概には言えません。

一般企業では、大企業であればあるほど、組織の安定性が高い傾向があります。しかし、その分、個人の裁量や成長のスピードは限定されるかもしれません。一方、小さな会計事務所では、責任も大きくなりますが、自身の成長をダイレクトに感じられるというメリットがあります。彼の事務所のように、税理士資格を持たない社員が複数いるということは、事務所が経験者を重視し、育成に力を入れている可能性を示唆しているかもしれません。 例えば、私が以前相談を受けた学生は、大手企業の安定性を求めていましたが、実際に入社してみると、自分の仕事が組織全体の中でどれほど重要なのか、なかなか実感できず、モチベーションの低下を訴えていました。 彼の場合、小さな事務所だからこそ、自身の成長を肌で感じ、責任感を持って仕事に取り組める環境なのかもしれません。

もちろん、不安要素がないわけではありません。税理士の先生が高齢で、後継者問題を抱えている可能性もあります。しかし、それは必ずしも悪いことではありません。彼がその事務所で経験を積み、将来的に独立開業を目指すのであれば、まさに絶好の環境と言えるでしょう。師事する税理士の先生から直接指導を受け、顧客対応や業務処理を学ぶことができるからです。 これは、大企業では得られない貴重な経験です。 また、少人数の事務所では、一人ひとりの意見が尊重されやすく、風通しの良い職場環境が期待できます。 これは、野球部で培ったチームワークやコミュニケーション能力を活かせる場にもなるでしょう。

税理士の収入って、実際どれくらい？

「税理士になったらどれくらい稼げるの？」これは、多くの人の関心事です。正直に言うと、一概にいくらとは言えません。収入は、事務所の規模、顧客数、税理士自身の経験や能力、そして経営手腕など、様々な要素に左右されます。大規模な事務所の税理士は、高収入を得られる可能性が高い一方、中小規模の事務所では、収入は変動する可能性があります。 しかし、彼のように資格取得を目指しながら経験を積んでいる段階では、収入よりも経験の蓄積とスキルアップを優先すべきでしょう。

「将来独立開業したい」という彼の言葉は、彼なりのキャリアプランを示していると思います。 独立開業を目指すのであれば、まずは経験を積み、顧客との信頼関係を構築することが重要です。小さな事務所で働くことは、そのための貴重なステップになるはずです。 また、彼は「自分には資産もないし、稼ぎもない、将来性をみてもらうしかない」と言っていますが、これは決してネガティブな発言ではありません。自分の能力を磨き、将来への投資を継続するという意思表示と捉えることもできます。 彼の言葉の裏には、将来への強い意志と、現実的な見方が隠れているのではないでしょうか。

一般企業の正社員のような安定性を求めるのであれば、小さな会計事務所は必ずしも最適な選択肢とは言えません。しかし、彼の場合、将来の独立開業を見据えたキャリアプランを立てているとすれば、今の選択は決して間違っていないと言えるでしょう。 大切なのは、彼自身のキャリアプランを理解し、彼を支えることです。

年齢制限ってあるの？会計事務所で長く働くことは可能？

会計事務所の仕事に年齢制限があるかどうかは、事務所によって異なります。一般的に、年齢よりも経験や能力が重視される傾向があります。 高齢の税理士が引退しても、経験豊富なベテラン社員が活躍することで、事務所の安定性は維持されます。 彼の事務所にも、税理士資格を持たないベテラン社員がいるとのことですから、年齢を理由に解雇される心配は少ないと考えられます。 むしろ、経験豊富な社員は、事務所にとって貴重な存在です。 長年培ってきた知識やスキル、人脈は、若い社員にとって貴重な財産となるでしょう。

もちろん、体力的な負担が大きくなる仕事もありますので、年齢とともに仕事の役割が変わっていく可能性はあります。しかし、それはキャリアアップの一環と捉えることもできます。 例えば、現場での業務から、指導やマネジメントといった役割にシフトしていくことも考えられます。 彼自身の能力と意欲次第で、長く働き続けることは十分に可能です。 彼の将来への不安を解消するためには、彼のキャリアプランを一緒に考え、具体的な目標を設定することが重要です。

彼の不安を解消するためには、会計事務所の仕事内容や将来性について、具体的な情報を集めることが大切です。 インターネットで検索したり、会計事務所に直接問い合わせたりすることで、より多くの情報を得ることができます。 また、彼自身に、仕事へのやりがいを感じているか、将来の目標をどのように考えているのかを丁寧に聞いてみることも重要です。 彼の気持ちを理解し、支えることで、彼の不安を解消し、より良い関係を築くことができるでしょう。

大学野球支援機構では、大学野球部員の皆さんやそのご家族のキャリア支援を行っています。 野球経験を活かせる仕事や、野球に理解のある企業を紹介することも可能です。 もし、将来のキャリアについて悩んでいる方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。