先日、大学野球部の学生からこんな相談を受けました。「将来のキャリアを考えて、日商簿記1級と社会保険労務士の資格取得を目指しています。どちらが難しいのか、将来性はどうなのか、世間での評価はどうか悩んでいます。資格学校の先生からは社労士の受験者増加を聞きましたが、ハローワークの相談員からは社労士の求人は少ないと言われました。ネット上では社労士の評価が高いという情報も見かけますが、実際はどうなのでしょうか?」
日商簿記1級と社会保険労務士、どっちが難しい?
まず、日商簿記1級と社会保険労務士試験、どちらが難しいか?これは、一概に言えません。なぜなら、難易度は個人の学習能力、経験、学習時間などによって大きく変わるからです。簿記は計算能力と論理的思考力、社会保険労務士は法律知識と暗記力が求められます。どちらにも得意不得意があるでしょう。
例えば、経済学部出身で会計の基礎知識がある学生なら、簿記の方が取り組みやすいでしょう。一方、法律や社会制度に興味があり、暗記が得意な学生なら、社会保険労務士の方がスムーズに学習を進められるかもしれません。私の友人にも、大学時代に簿記を猛勉強して1級を取得し、経理の道に進んだ者もいれば、社会保険労務士試験に挑み、人事部で活躍している者もいます。
重要なのは、自分の適性と興味を理解することです。どちらの資格にも魅力があり、それぞれにやりがいがあります。どちらを選ぶか迷うのは、それだけどちらも魅力的な資格である証拠です。まずは、それぞれの試験内容を詳しく調べてみて、自分に合いそうな方を選んでみましょう。
将来性、どっちが有望?
次に、将来性についてですが、これも絶対的な答えはありません。景気動向や社会情勢の変化によって、需要は変動します。しかし、どちらも需要のある資格であることは間違いありません。
日商簿記1級は、企業の財務状況を理解し、分析する上で必須のスキルです。どの業種でも経理部門は必要なので、安定した需要が見込めます。特に、中小企業では、経理担当者の負担が大きいことも多く、簿記のスキルを持つ人材は重宝されます。大学野球部員の方であれば、野球経験で培った責任感やチームワーク力も評価されるでしょう。
一方、社会保険労務士は、企業の人事労務管理に携わる専門家です。少子高齢化や働き方改革の進展に伴い、労働に関する法制度は複雑化しており、専門家の需要は高まっています。特に、中小企業は人事労務管理に課題を抱えているケースが多く、社会保険労務士の需要は高いと言えるでしょう。社会貢献性の高い仕事でもあります。
どちらの資格も、企業規模を問わず、多くの企業で必要とされるスキルです。野球経験を活かして、責任感や協調性をアピールすることで、就職活動にも有利に働く可能性があります。特に、野球に理解のある中小企業への就職支援に特化した機関も存在しますので、そういった企業への就職も視野に入れてみるのも良いかもしれません。
世間的な評価、どっちが高い?
最後に、世間的な評価ですが、これも難しい質問です。「評価が高い」という基準も人それぞれです。ハローワークの相談員やネット上の情報だけでは、全体像を把握することはできません。重要なのは、自分がどのようなキャリアを目指したいかです。
日商簿記1級は、実務的なスキルとして評価され、企業から必要とされる資格です。一方、社会保険労務士は、専門性の高い資格として評価され、専門家として活躍できる可能性があります。どちらが良いかではなく、自分のキャリアプランに合った資格を選ぶことが重要です。
例えば、経理部門で安定したキャリアを築きたいのであれば、日商簿記1級が適しているでしょう。一方、人事労務部門で専門性を活かしたいのであれば、社会保険労務士が適しているでしょう。また、資格取得後、さらに専門性を高めたいのであれば、大学院に進学するのも一つの選択肢です。大学院では、より高度な専門知識を学ぶことができます。
大切なのは、自分の将来像を明確に描き、その目標に合った資格取得を目指すことです。そして、資格取得はあくまでも手段です。資格取得後も、常に学び続け、スキルアップを図る姿勢が重要です。大学野球部での経験は、社会に出ても必ず活かせます。粘り強さ、責任感、チームワーク力…これらの経験は、どんな仕事にも役立ち、あなたの大きな強みとなります。