先日、大学4年生の野球部員の方から、将来の進路について悩める相談がありました。「来年大学卒業後、臨床工学技士の専門学校に進学予定だが、ネットの情報を見るほど将来に不安を感じている。特に、就職先の大半が透析関連施設であること、そして年齢的に不利な状況にあることなどが心配だ。総合病院で多様な経験を積める可能性はあるのか、それとも就職活動にシフトチェンジすべきか迷っている」とのことでした。 多くの大学生、特にスポーツに打ち込んできた学生は、卒業後の進路選択に直面する際に、このような葛藤を抱えることが少なくありません。この相談をきっかけに、大学野球と将来のキャリア、特に専門職への進路選択について考えてみたいと思います。
臨床工学技士の将来性…本当に不安?透析以外の道はあるの?
臨床工学技士の将来性について不安を感じている、というのはよく分かります。インターネットの情報は玉石混交で、ネガティブな情報ばかりが目についてしまうことも多いですよね。確かに、透析関連施設の求人が多いのは事実です。しかし、だからといって臨床工学技士の将来性が無い、とは言い切れません。総合病院や大学病院など、透析以外の医療機関でも臨床工学技士は必要とされています。例えば、人工呼吸器管理や体外循環、手術室での業務など、活躍の場は多岐に渡ります。
確かに、年齢が29歳で新卒というのは、一般企業の就職活動では不利に働く可能性があります。しかし、臨床工学技士の世界では、年齢よりも経験やスキルが重視される傾向があります。専門学校でしっかりとした知識と技術を身につけ、就職活動で自分の強みを明確にアピールできれば、総合病院への就職も決して不可能ではありません。
例えば、私の友人で、大学卒業後に別の業界に就職し、数年後に臨床工学技士の専門学校へ進学した人がいます。彼は、社会人経験を活かして、コミュニケーション能力や問題解決能力を高く評価され、希望する総合病院に就職することができました。年齢はハンデになるかもしれませんが、それ以上にあなたの経験や能力が評価される可能性があるのです。
大学野球経験は就活で本当に不利?強みを活かす方法とは?
大学野球で培った経験は、就職活動において必ずしも不利ではありません。むしろ、大きな強みになる可能性を秘めています。野球部で培った体力、精神力、チームワーク、責任感、目標達成能力などは、多くの企業が求める人材像と合致する要素です。これらの経験を、面接や履歴書で効果的にアピールすることが重要です。
具体的には、
- チームで目標を達成するために努力した経験
- 困難な状況を乗り越えた経験
- 仲間と協力して課題を解決した経験
- リーダーシップを発揮した経験
などを具体的に説明することで、あなたの能力を効果的に伝えることができます。「野球部で培った経験を活かして、臨床工学技士として貢献したい」という強い意志を伝えることができれば、面接官の心を掴むことができるでしょう。
また、野球に理解のある企業を探すことも有効です。一般社団法人大学野球支援機構では、野球に理解のある中小企業との就職支援を行っています。社会人野球クラブチームへの所属や現役選手としての活動に配慮のある企業を紹介することも可能です。もちろん、就職活動の全てを機構に頼る必要はありませんが、選択肢の一つとして知っておくことは有益でしょう。
臨床工学技士としてのキャリアパス…総合病院で多様な経験を積むには?
総合病院で多様な経験を積むためには、積極的に学び、成長しようとする姿勢が大切です。研修制度が充実している病院を選ぶこと、先輩や上司から積極的に指導を受けること、そして、自ら学び続ける姿勢を持つことが重要です。臨床工学技士の資格取得後も、専門性を高めるための資格取得や研修に参加することで、キャリアアップを目指せます。
また、複数の医療機関で働く経験も、多様な経験を積む上で有効です。異なる病院で働くことで、様々な医療機器や治療法に触れることができ、自身のスキルアップに繋がります。もちろん、これはキャリアパスの一つであり、必ずしも全ての臨床工学技士がそうする必要はありません。
さらに、自分のキャリアプランを明確に持つことも重要です。将来どのような臨床工学技士になりたいのか、どのようなキャリアを歩みたいのかを明確にすることで、目標に向かって努力することができます。例えば、特定の医療分野に特化したい、管理職を目指したい、研究開発に携わりたいなど、具体的な目標を設定することで、モチベーションを維持し、キャリアアップを促進できます。
進路選択は人生における大きな決断です。迷うのは当然のことです。しかし、しっかりと情報を集め、自分の強みや弱みを理解し、将来のビジョンを明確にすることで、最適な選択をすることができるはずです。焦らず、一歩ずつ進んでいきましょう。