「12年間習っていた財団法人の書道教室で師範10段を取得し、半年前に引退しました。しかし、高校の書道の時間に『あなたの書いている字は書写であって、書道ではない』と先生に言われたことが気になっています。長い間習ってきた経験を無駄にしたくないし、書道について見聞を広めていきたいです。将来は習字の指導もできるようになりたいので、アドバイスをお願いします。」　このご相談、大学野球の進路に悩む学生さんからの相談とは少し違いますが、長年培ってきた経験を活かす、という点では共通点がありますね。野球と同じく、書道も長年の鍛錬が必要な分野です。12年間という時間をかけて積み重ねてきた経験は、決して無駄にはなりません。これからどのように活かしていくか、一緒に考えていきましょう。

書道と「書写」の違いって？何が違うの？

まず、高校の先生から「書写」と言われたことについて、ご心配ですよね。わかります。私も学生時代、自分の努力が否定されたような経験をして、落ち込んだことがあります。 「書写」と「書道」は、確かに言葉としては似ていますが、その内容は大きく異なります。「書写」は、文字を正確に美しく書く技術を習得することを重視します。一方「書道」は、文字を通して個性を表現し、精神性を高める芸術的な側面が強いのです。先生がおっしゃった「書写」という言葉は、もしかしたら、あなたの技術の正確さ、丁寧さを評価しつつも、表現力や独自性といった「書道」としての深みがないことを指摘したのかもしれません。 しかし、12年間、師範10段を取得するまで頑張ってきたあなたの努力は、決して無駄ではありません。正確で美しい文字を書く技術は、書道の基礎であり、非常に重要な要素です。

例えば、私の友人で、大学時代に書道部に所属していた人がいます。彼女は、最初は正確な文字を書くことに苦労していましたが、地道な練習によって、見事な技術を身につけていました。そして、その技術を土台に、自分の個性を表現する書風を確立していきました。彼女の作品には、技術の正確さと、独自の表現力が融合しており、見る人を魅了する力がありました。あなたの12年間の経験は、まさにその「正確な技術」の土台を築いたと言えるでしょう。

書道の見聞を広げるには？どんな方法があるの？

では、どのように書道の見聞を広げていけば良いのでしょうか？ まず、様々な書体に触れてみることをお勧めします。これまで楷書と行書しか習っていないとのことですが、草書、隷書、篆書など、様々な書体にはそれぞれ独特の美しさや表現力があります。書道教室や図書館、博物館などで、様々な書体の作品を鑑賞し、その違いを学ぶことで、新たな視点が得られるでしょう。また、異なる流派の作品に触れることも重要です。それぞれの流派には、独自の技法や美意識があります。異なる流派の作品を比較することで、書道の奥深さを知ることができるでしょう。

• 書道展や個展への参加：実際に作品を見て、作者の個性を体感できます。
• 書道に関する書籍や雑誌を読む：歴史や技法、著名な書家について学ぶことができます。
• オンライン講座の活用：様々な書体や技法を学ぶ機会が広がります。
• ワークショップへの参加：実践を通して、新たな技術や表現方法を学ぶことができます。

さらに、現代書道にも注目してみましょう。伝統的な書道に現代的な要素を取り入れた作品は、斬新で魅力的です。現代書道の作品に触れることで、書道の可能性を広げ、新たな表現方法を見つけることができるかもしれません。 そして、忘れてはいけないのが実践です。学んだことを活かし、積極的に作品を制作し、自分の表現力を磨いていきましょう。制作した作品を他の人に見てもらい、フィードバックを得ることも大切です。 これは、大学野球で試合に出場し、経験を積むことと似ていますね。練習だけでは得られない学びが、そこにはあります。

習字指導者になるには？具体的なステップは？

将来、習字の指導者になりたいとのことですが、そのためにはどのようなステップを踏めば良いのでしょうか？ まず、指導者としてのスキルを磨く必要があります。指導経験がない場合は、ボランティアなどで指導の経験を積むことをお勧めします。子供たちに分かりやすく丁寧に指導するスキルは、経験を通してしか身につかないものです。また、教育に関する知識を深めることも重要です。教育学や心理学に関する書籍を読んだり、研修に参加したりすることで、より効果的な指導方法を学ぶことができます。

さらに、資格取得も検討してみましょう。書道に関する資格はいくつか存在します。資格取得は、あなたのスキルを客観的に評価する指標となり、指導者としての信頼性を高めることに繋がります。 そして、自分の教室を開設することも視野に入れてみましょう。教室を開設するには、場所の確保や生徒募集、運営方法など、様々な準備が必要です。しかし、自分の教室を持つことで、自分のペースで指導を行い、生徒たちと深く関わる機会が増えるでしょう。 これは、大学卒業後、自分のキャリアパスを設計していくことと似ています。目標を定め、計画的に準備を進めていくことが大切です。

もちろん、いきなり教室を開設する必要はありません。まずは、地域の小中学校や公民館などで、ボランティア講師として活動してみるのも良いでしょう。そこで得た経験は、将来、自分の教室を開設する際に役立つはずです。 そして、ネットワークを築くことも重要です。他の書道家や指導者と交流することで、情報交換や意見交換を行い、スキルアップに繋げることができます。 これは、大学野球でチームメイトや監督、コーチと協力して目標達成を目指すことと似ていますね。周囲の人との協力関係を築くことが、成功への鍵となります。