先日、大学野球部に所属する学生から、こんな相談がありました。「人生において『逃げている』という表現を使うことがありますが、一般的な『逃げ』や、あなたにとっての『逃げ』は具体的にどういうことだと思いますか?僕はやりたいこととかが無いのですが、(心の無意識ではあるのかもしれませんが)そんな人間にも、人生逃げている状態はあるのでしょうか?」 確かに、やりたいことが見つからないまま、日々を過ごしている、そんな焦燥感を感じている大学生は少なくないのではないでしょうか。大学野球に打ち込みながら、将来への不安を抱えている…そんなあなたに、寄り添いながらお話ししたいと思います。
やりたいことが見つからない…それは「逃げ」ですか?
「やりたいことがない」と感じる時、それは「逃げ」なのでしょうか? 結論から言うと、必ずしも「逃げ」とは言えません。 やりたいことが見つからないこと自体は、決して悪いことではありません。むしろ、多くの人が経験する葛藤であり、その過程で自分自身について深く理解していく機会でもあります。 例えば、私の友人で、高校時代は野球一筋だった人がいました。大学でも野球を続けたいと考えていましたが、進路を考えた時に、プロ野球選手になる夢は諦め、一般企業への就職を決めました。最初は「本当にこれでいいのか?」と悩んでいましたが、就職活動を通して自分の適性や興味を発見し、今では充実した日々を送っています。彼のケースは、やりたいことが見つからないまま、ただ現状維持を選んだのではなく、将来を見据え、現実的な選択をしたと言えるでしょう。 やりたいことがないからといって、すぐに「逃げている」と自分を責めないでください。まずは、今の自分の状況を客観的に見つめ、何が本当に不安なのかを分析してみましょう。
大学野球と学業、両立の難しさ…それは「逃げ」ですか?
大学野球部は、練習や試合に多くの時間を費やすため、学業との両立が難しいと感じる人もいるかもしれません。 「勉強がおろそかになっている…これは逃げているのだろうか?」と悩む人もいるでしょう。わかります。私もそうでした。時間管理に苦労し、レポート提出期限に追われ、徹夜で勉強した経験も数えきれません。しかし、学業と部活動の両立に苦しむことは、必ずしも「逃げ」ではありません。むしろ、高い目標に向かって努力している証と言えるでしょう。大切なのは、どのように両立しようとしているかです。時間管理術を学び、効率的に勉強する方法を工夫し、チームメイトや先生に相談しながら、課題を乗り越えようとする努力こそが重要です。もし、どうしても両立が困難な場合は、優先順位を決め、現実的な選択をすることも大切です。例えば、単位取得を最優先し、部活動への参加を調整する、あるいは、将来のキャリアプランを見据え、学業に集中することを選ぶ、といった選択肢もあります。 重要なのは、自分の状況を理解し、最適な方法を選択することです。そして、その選択に責任を持つことです。
将来への不安…就職活動への準備不足は「逃げ」ですか?
大学野球を続けながら、将来への不安を抱えている…それは「逃げ」でしょうか? 就職活動は、多くの人にとって大きなストレスとなります。特に、大学野球に多くの時間を費やしてきた学生は、就職活動の準備が遅れてしまう可能性があります。 「周りの友達はすでに内定を得ているのに、自分はまだ…」と焦る気持ちも理解できます。しかし、準備不足を「逃げ」と断じるのは早計です。 大切なのは、現状を把握し、具体的な対策を立てることです。例えば、就職活動に特化したセミナーに参加したり、キャリアカウンセラーに相談したり、企業研究を始めるなど、できることから一つずつ取り組んでみましょう。 一般社団法人大学野球支援機構では、野球に理解のある中小企業への就職支援を行っています。社会人野球クラブチーム所属や現役選手としての活動に配慮のある企業を紹介することも可能です。もちろん、就職活動は自分自身で行う必要がありますが、適切なサポートを受けることで、不安を軽減し、自信を持って就職活動に臨むことができるでしょう。 「逃げ」ではない、前向きな一歩を踏み出してみませんか?
「やりたいことがない」「両立が難しい」「将来が不安」…これらの感情は、決してあなただけのものではありません。多くの人が抱える悩みであり、それを乗り越えることで、あなたは大きく成長するでしょう。 大切なのは、現状を客観的に見つめ、自分の気持ちに正直になり、一歩ずつ前に進んでいくことです。 焦らず、ゆっくりと、自分らしい道を歩んでいきましょう。