先日、30年前に慶應義塾大学の経済学部を卒業された方から、興味深いご相談がありました。「自分が慶應経済卒だと、特に若い世代から驚かれる。30年前は東大以外考えられない風潮だったのに、今は慶應の評価が上がっているのか?」という内容でした。このご相談をきっかけに、大学野球部員にとっての就職活動における現状と、将来への展望について考えてみたいと思います。特に、野球と学業、そしてキャリアを両立させたいと考えている皆さんにとって、役立つ情報を提供できれば幸いです。
大学野球部員は、就職活動で本当に不利なの?
結論から言うと、一概に「不利」とは言えません。確かに、大学野球部に所属しながら学業と両立させるのは大変ですし、企業によっては部活動への理解度が低いところもあります。しかし、近年は大学野球部員の就職活動に対する風向きは変わってきています。企業側も、部活動で培った責任感、チームワーク、忍耐力、目標達成能力といった点を高く評価する傾向にあります。特に、社会人野球クラブチームへの所属や現役選手としての活動を理解し、サポートしてくれる企業も増えています。
例えば、以前、地方大学野球部の主将を務めていたAさんは、大手企業ではなく、地元の中小企業に就職しました。最初は親御さんから反対されたそうですが、その企業は社会人野球チームを持っていて、Aさんの野球への情熱を理解し、活動をサポートしてくれる環境だったのです。結果的に、Aさんは仕事と野球を両立させながら、充実した日々を送っています。これは一例ですが、企業選びの視点を変えることで、野球を続けながら就職活動に成功する道は開けてきます。
もちろん、就職活動は大変です。学業との両立、練習時間、そして企業研究など、多くの課題を乗り越える必要があります。しかし、その苦労を乗り越えた経験は、将来の大きな財産となるでしょう。困難に立ち向かい、解決策を見つける能力は、どの企業も求める人材像です。
野球と学業の両立…どうすればうまくいくの?
大学野球部員にとって、最大の課題の一つは野球と学業の両立です。練習時間や遠征、試合など、野球に費やす時間は膨大です。そのため、時間管理能力が非常に重要になります。私も大学時代は野球部に所属していましたが、時間管理に苦労した経験があります。例えば、授業の空き時間や移動時間を使って予習復習をしたり、週末にまとめて課題に取り組んだりするなど、工夫をしていました。
具体的な時間管理術としては、以下のような方法が有効です。
- スケジュール帳やアプリを活用する:授業、練習、アルバイト、課題など、全ての予定を書き込んで、時間配分を明確にする。
- 優先順位をつける:重要な課題や試験を優先的に取り組み、時間配分を調整する。
- 効率的な学習方法を身につける:集中して効率的に学習することで、学習時間を短縮する。
- チームメイトと協力する:分からないことはチームメイトに質問したり、一緒に勉強したりする。
さらに、教授や指導者とのコミュニケーションも大切です。授業を欠席せざるを得ない場合などは、事前に教授に事情を説明し、理解を得ることが重要です。また、大学によっては、部活動と学業の両立を支援する制度が設けられている場合もありますので、大学の担当部署に相談してみるのも良いでしょう。
就職活動…どんな企業を選べばいいの?
大学野球部員が就職活動をする際に、重要なのは「自分にとって最適な企業」を見つけることです。企業規模や業種だけでなく、企業文化や社風、そして野球部員への理解度も考慮する必要があります。企業研究を徹底的に行い、自分の価値観やキャリアプランに合った企業を見つけることが大切です。
例えば、社会人野球チームを持つ企業や、部活動への理解が深い企業は、野球を続けながら働くことができる可能性が高いです。また、中小企業の中には、大企業にはない魅力的な点を持つ企業も多いです。規模にとらわれず、自分のキャリアプランに合った企業を探すことが重要です。
就職活動は、自分自身を見つめ直す良い機会でもあります。大学野球部で培ってきた経験やスキルを活かせる企業、そして自分の成長を後押ししてくれる企業を選ぶことが、将来の成功につながるでしょう。そして、もし就職活動で悩んだ時は、周りの人に相談してみるのも良い方法です。家族や友人、大学のキャリアセンターなど、相談できる相手はたくさんいます。
一般社団法人大学野球支援機構では、野球に理解のある中小企業との就職支援にも力を入れています。もちろん、就職活動のサポートが私たちの主な目的ではありませんが、もしご興味があれば、お気軽にお問い合わせください。ただし、あくまで就職活動はご自身で行っていただくものであり、機構が企業を斡旋するものではありませんので、ご了承ください。