「最近、ビジネスグランドワークスという会社で短期の新人研修を受けました。体育会系のノリで、とにかく大声を出させます。自己紹介や挨拶、それだけならまだしも、トイレに入る時や誰かが前を通るときも全て、大声で「失礼します」、や「どうぞ」、と研修中ずっと大声を出さなければなりません。また声がでないとやり直し!みたいなことで何回もやらせて、ホントバカみたいな研修です。…(以下、質問本文)」このような相談を受けました。この経験から、大学野球経験者にとって重要なキャリア戦略について考えてみましょう。
体育会系研修は本当に効果的?あなたの強みを活かす就活とは?
「大声で、早口で…何の意味があるの?」そう思いますよね。わかります。私もかつて、似たような研修を経験し、正直「時間の無駄だ」と感じたことがあります。確かに、敬語やビジネスマナーの研修は大切です。しかし、ただ大声を出したり、無理やり意見を合わせさせたりする研修は、あなたの個性や強みを活かすキャリア形成に役立つとは限りません。むしろ、逆効果になる可能性だってあります。
大学野球で培った経験、例えば責任感、チームワーク、粘り強さ、目標達成への努力…これらは企業が求める重要な資質です。しかし、体育会系研修のような、個性を押し殺すような訓練は、これらの強みをうまく伝えにくくしてしまうかもしれません。面接官は、あなたの個性や経験、そしてそれらを活かしてどのように仕事に取り組むのかを知りたいのです。
例えば、私が以前指導した学生は、強豪大学野球部出身でしたが、ある企業の面接で「体育会系の経験は、チームワークを重視する企業文化に合致する」とアピールしました。さらに、具体的なエピソードを交えながら、チームメイトと協力して困難を乗り越えた経験を説明することで、高い評価を得ることができました。大切なのは、研修で学んだことよりも、あなたが大学野球で何を学び、何を成し遂げたのかを明確に伝えることです。
企業が求める人材像とは?あなたの経験をどのように活かすか?
研修で感じた「無理強い」や「個性の否定」は、多くの企業が求める人材像とは異なるかもしれません。多くの企業は、主体性があり、自ら考え行動できる人材を求めています。研修で感じた違和感や疑問を、面接でうまく伝えることができれば、あなたの誠実さや真面目さが伝わるかもしれません。もちろん、直接的に研修の内容を批判する必要はありませんが、「この研修で感じたこと、そしてそこから学んだこと」を話すことで、あなたの成長や柔軟性をアピールできます。
例えば、研修で「お客様にわかりやすく伝えること」の重要性を改めて認識したとしましょう。その経験を踏まえ、「大学野球部のマネージャーとして、チームメイトに分かりやすく情報を伝えるために工夫した経験」などを話すことで、コミュニケーション能力の高さを効果的に示すことができます。
- 具体的なエピソードを準備する:研修での経験だけでなく、大学野球部での活動やアルバイト経験など、具体的なエピソードを準備しましょう。数字や結果を交えて説明すると、説得力が増します。
- 自分の強みを明確にする:大学野球で培った強み(責任感、チームワーク、粘り強さなど)を明確に理解し、それをどのように仕事に活かせるのかを具体的に説明できるようにしましょう。
- 企業研究を徹底する:企業の理念や社風、求める人材像を事前にしっかり理解することで、あなたの強みが企業のニーズと合致していることを効果的に伝えられます。
就職活動における注意点:企業選びとキャリアプラン
「こんな研修は普通なの?」という疑問、とても共感できます。研修会社や企業によって、研修内容は大きく異なります。中には、あなたの個性や能力を潰してしまうような研修もあるかもしれません。しかし、すべてが無駄とは限りません。研修で感じた違和感や疑問を、今後のキャリアプランを考える上で活かすことができます。
例えば、今回の研修で「体育会系」の研修に疑問を感じた経験は、あなたがどのような企業文化の中で働くのが向いているのかを考える良い機会となります。あなたが重視する価値観や働き方を明確にし、それに合った企業を選ぶことが大切です。中小企業の中には、大学野球経験者を理解し、サポートしてくれる企業も多くあります。社会人野球クラブチームへの所属や現役選手としての活動に配慮のある企業も存在します。自分の価値観と企業の価値観がマッチすることを重視して、企業選びを進めていきましょう。
また、就職活動はゴールではなく、キャリア形成のスタートです。研修で得た学びや経験を活かし、将来のキャリアプランを描き、成長を続けることが大切です。もし、キャリアプランに迷ったり、就職活動で困ったことがあれば、周りの人に相談したり、キャリアカウンセリングを受けるのも良い方法です。一人で抱え込まず、積極的に相談することで、より良いキャリアを築くことができます。