先日、大学野球部に所属する学生から、胸を締め付けるような相談がありました。「大学生で発達障害も難病もどっちも持てば人生終わりですよね?周りに病気も障害もましてやダブル持ちなんていません。」と。 確かに、周囲に同じような境遇の人がいないと、不安になるのも無理はありません。でも、決して「人生終わり」ではありません。 この相談をきっかけに、発達障害と難病を抱えながら、大学野球と将来のキャリアにどう向き合っていくか、具体的な方法を一緒に考えていきましょう。
発達障害と難病を抱えながら、大学野球を続けることは可能?
まず、大切なのは「諦めない」ということです。 発達障害や難病は、確かに日常生活や学習、スポーツ活動に影響を与える可能性があります。でも、それは決して「できない」ことを意味するわけではありません。むしろ、「どのようにすればできるか」を考えることが重要です。
例えば、ある大学の野球部員はADHDと診断され、集中力の持続に苦労していました。しかし、彼は自身の特性を理解し、時間管理アプリを活用したり、練習メニューを細かく分割したりすることで、効果的に練習に取り組む方法を見つけました。また、チームメイトにも自身の状況を伝え、理解と協力を得ることで、チームの一員として活躍しています。 これは一例ですが、自分の特性を理解し、周囲の協力を得ながら、工夫することで、大学野球を続けることは十分可能です。
難病の場合も同様です。病気の症状や治療によって、練習時間や練習内容を調整する必要があるかもしれません。しかし、医師やトレーナーと相談しながら、無理のない範囲で練習に取り組むことが大切です。 また、大学や野球部にも相談することで、適切なサポートを受けられる可能性があります。 一人で抱え込まず、周囲の力を借りながら、前向きに進んでいきましょう。
就職活動は不利になる?企業選びのポイントと対策
「発達障害や難病を持っていると、就職活動で不利になるのでは…?」と心配する方もいるかもしれません。わかります。私もそう思っていました。しかし、企業の採用基準は多様化しており、必ずしも不利とは限りません。
むしろ、あなたの経験や強みは、企業にとって貴重な財産となる可能性があります。発達障害や難病と向き合いながら大学野球を続けることで培われた、忍耐力、責任感、コミュニケーション能力などは、多くの企業が求める人材像に合致するでしょう。 大切なのは、自分の強みを理解し、それを効果的にアピールすることです。履歴書や面接では、病気や障害について正直に話す必要はありませんが、あなたの経験がどのようにあなたを成長させ、社会に貢献できるのかを伝えることが重要です。
就職活動においては、あなたに理解のある企業を選ぶことも大切です。 例えば、ワークライフバランスを重視している企業や、ダイバーシティ&インクルージョンに積極的な企業などは、あなたの個性や状況を理解し、サポートしてくれる可能性が高いでしょう。 また、社会人野球クラブチームの存在も視野に入れてみるのも良いかもしれません。中には、選手の特性を理解し、サポート体制を整えているチームもあります。
一般社団法人大学野球支援機構では、野球に理解のある中小企業との就職支援にも力を入れています。 企業選びに迷った際は、一度、相談してみるのも良いかもしれません。
大学生活と野球、そして将来のキャリアプランをどう両立させるか
大学生活は、野球だけでなく、学業や友人関係、そして将来のキャリアを考える大切な時間です。発達障害や難病を抱えていると、これらのバランスを取るのが難しいと感じるかもしれません。 しかし、適切な計画と工夫によって、充実した大学生活を送ることが可能です。
まず、時間管理を徹底しましょう。 授業、練習、アルバイト、そして休息の時間などをしっかりとスケジュールに組み込み、優先順位をつけて行動することが大切です。 また、手帳やアプリなどを活用して、タスク管理を行うのも効果的です。 さらに、周囲の人への相談も忘れずに。 困ったことがあれば、友人や先生、家族などに相談し、サポートを受けましょう。
将来のキャリアプランについても、早いうちから考えておくことが重要です。 自分の興味や能力、そして発達障害や難病の特性を考慮しながら、現実的な目標を設定しましょう。 キャリアカウンセラーに相談したり、インターンシップに参加したりすることで、将来のキャリアについてより深く理解を深めることができます。
私の友人で、発達障害と難病を抱えながら、大学卒業後、希望の企業に就職した人がいます。彼は、大学時代にしっかりとしたキャリアプランを立て、就職活動にも積極的に取り組みました。 彼の成功は、諦めずに努力を続けたこと、そして周囲のサポートがあったからこそ実現したのです。
大学野球と発達障害・難病、そして将来のキャリア。 確かに、大変な道のりかもしれませんが、決して不可能ではありません。 自分の特性を理解し、周囲の協力を得ながら、一歩ずつ進んでいきましょう。