22歳、大学生の皆さんから、大学2年頃から精神疾患と診断され、それまで成績至上主義だった考え方が大きく変わったという相談を受けました。「高校までの自分から見れば考えられないほど退化しました。元々の自分の気質が開花しただけかもしれませんが、精神疾患の影響ゆえにこうなった、ということはあるのでしょうか?」とのお悩みです。この変化は、精神疾患の影響も考えられますが、同時に、自分自身の成長でもあると捉えることもできるでしょう。今回は、大学野球を続ける中で精神的な変化を経験した方、そしてそのご家族の方に向けて、この変化への向き合い方、そして将来への展望についてお話しします。
精神疾患と大学生活:野球と学業の両立は可能?
「朝起きるのが恐怖でした。成績どころか、学校どころでもありませんでした。」とのお言葉、胸が締め付けられます。わかります。大学生活、特に野球部員は、練習や試合、そして学業の両立で常にプレッシャーを感じていますよね。そこに精神疾患の症状が加わると、想像を絶する苦しさだと思います。決して、あなたのせいではありません。まずは、そのことをしっかりと受け止めてください。
精神疾患を抱えながら大学生活を送ることは、確かに大変です。しかし、不可能ではありません。多くの大学には学生相談室があり、専門のカウンセラーが相談に乗ってくれます。また、大学によっては、精神疾患を持つ学生へのサポート体制が整っているところもあります。まずは、大学の相談窓口に相談してみることをお勧めします。そして、大切なのは、無理をしないことです。学業に追われすぎず、自分のペースで進めていくことが重要です。野球部活動についても、主治医や監督と相談しながら、無理のない範囲で参加することを心がけましょう。
例えば、私の友人で、大学時代にうつ病を経験した野球部員がいました。彼は、練習への参加を減らし、学業に集中することで、症状をコントロールしていました。そして、卒業後は、野球に理解のある企業に就職し、社会人野球チームでプレーを続けながら、充実した日々を送っています。彼の経験からもわかるように、精神疾患を抱えていても、大学生活、野球、そして将来のキャリアを諦める必要はありません。
成績至上主義からの脱却:新たな価値観を見つける
「今までの成績至上主義的な考えがごっそりなくなってしまいました。」とのことですが、これは決して悪いことではありません。成績至上主義から解放されることは、大きな成長と言えるでしょう。これまで、成績という一つの指標に囚われていたあなたにとって、新たな価値観を見つけるチャンスなのです。もしかしたら、あなたは、成績以外の、もっと大切なものを見つけたのかもしれません。
例えば、人間関係の大切さ、仲間との絆、自分のペースで物事を進めることの心地よさなど、成績では測れない多くの価値があることに気づいたのではないでしょうか。大学生活の中で、野球部での経験や友人との交流を通して、自分自身の強みや価値観を見つめ直す良い機会になったのかもしれません。
大切なのは、過去の自分と今の自分を比較しないことです。あなたは病気と闘いながら、自分自身と向き合い、新たな価値観を見つけようとしています。それは素晴らしいことです。今のあなたのありのままを受け入れ、将来への展望を描きましょう。
就活とキャリア:あなたの強みを活かせる道は必ずある
「就活も楽観的になり、就職した今も、業務や資格について適当です。」とありますが、これもまた、過去の自分とは違う価値観で生きている証です。もちろん、仕事に対する責任感や向上心は大切ですが、無理せず、自分のペースで仕事に取り組むことも重要です。完璧主義に陥らず、できることから一つずつこなしていくことで、自信もついてくるでしょう。
就職活動においては、あなたの経験が大きな強みとなる可能性があります。精神疾患と闘いながら大学生活を送り、野球を続けてきた経験は、困難を乗り越える力、柔軟な思考力、そして共感力を養ってきたことを示しています。これらの経験は、多くの企業が求める人材像に合致するでしょう。特に、野球に理解のある中小企業の中には、あなたの経験を高く評価してくれる企業もあるかもしれません。あなたの強みを活かせる企業は必ずあります。
もし、就職活動で悩んだ場合は、キャリアカウンセラーに相談してみるのも良いでしょう。彼らは、あなたの経験や能力を客観的に評価し、あなたに合った就職先を見つけるお手伝いをしてくれます。また、一般社団法人大学野球支援機構では、野球に理解のある企業への就職支援を行っています。企業選びの際に、あなたの経験や価値観を理解してくれる企業を選ぶことが大切です。
最後に、大切なのは、自分を責めないことです。あなたは、病気と闘いながら、精一杯生きてきました。その経験は、あなたの未来を輝かせる力となるでしょう。焦らず、自分のペースで、一歩ずつ進んでいきましょう。