大学院で化学を専攻する学生さんから、就職活動に関するご相談がありました。「以前取得した数検準2級を履歴書に記載すべきか悩んでいる」とのこと。化学系研究職を目指す中で、資格欄が空欄であることを避けたい一方、準2級という級位が低すぎるため、かえって数学の能力を低く評価されてしまうのではないかと不安を感じているそうです。 実際、どの程度の級位から履歴書に記載するのが適切なのか、一緒に考えていきましょう。
履歴書に資格を書く意味って、何?
まず、履歴書に資格を書く目的を改めて考えてみましょう。企業は、資格欄から応募者のどのような能力やどのような人物像を想像したいのでしょうか?
それは、「継続的な努力」や「特定分野への関心・探究心」、そして「問題解決能力」といった、学力や経験だけでは測りきれない能力を見極めようとしているからなのです。数検は、論理的思考力や問題解決能力を測る指標の一つとして認識されています。だから、必ずしも「数学ができる」という能力だけをアピールするものではないのです。
例えば、私の友人で、文系学部出身ながら数検1級を取得し、データ分析の仕事に就いた人がいます。彼は、大学時代に統計学に興味を持ち、数検の勉強を通して論理的思考力を養いました。その経験が、面接で高く評価され、内定獲得に繋がったそうです。彼のケースでは、数検の級位よりも、「自ら学び続ける姿勢」や「データ分析への強い関心」が重視されたと言えるでしょう。 準2級であっても、あなたが数学の勉強を継続的に行ってきたこと、そして論理的思考力を高めようという努力を証明する材料になり得るのです。
数検準2級は、履歴書に書く価値がある?
「準2級は中途半端…」そう感じますよね。わかります。私も以前、資格欄を埋めるのに苦労した経験があります。しかし、「何も書かない」という選択肢よりも、「何かを書く」という選択肢の方が、可能性を広げると私は考えます。
準2級であっても、「数学への関心」や「継続的な学習意欲」を示す証拠になります。特に、化学系の研究職を目指すなら、データ分析能力は非常に重要です。数検の勉強を通して培った論理的思考力や問題解決能力は、研究活動においても役立つでしょう。履歴書に記載することで、面接官に「この人は、自ら学び続ける姿勢を持っている」という印象を与えることができるかもしれません。
もちろん、企業によっては、数検の級位を重視するところもあるかもしれません。しかし、多くの企業は、資格そのものよりも、その資格取得を通して得られた能力や経験を評価します。そのため、準2級であっても、取得経緯やその経験から得られた学びを具体的に説明できれば、十分にアピール材料になり得るのです。
例えば、履歴書には「数検準2級」とだけ書くのではなく、「大学時代に数検準2級を取得。論理的思考力や問題解決能力の向上を目指し、継続的に学習に取り組んだ経験は、研究活動にも活かされていると考えています。」といったように、具体的なエピソードを加えることで、より効果的にアピールできます。
履歴書以外で、数学の能力をアピールする方法
履歴書に書くことに抵抗がある場合は、自己PRや志望動機で数学の能力をアピールするのも良い方法です。例えば、大学時代の研究活動で数学を用いた分析を行った経験があれば、その内容を具体的に説明することで、数学の能力を間接的にアピールできます。
また、ポートフォリオを作成し、数学を用いた分析結果などを提示するのも有効です。特に、化学系の研究職であれば、データ分析能力は非常に重要視されるため、ポートフォリオで具体的な成果を示すことで、高い評価を得られる可能性があります。 「数学は苦手です!」と自らネガティブな印象を与えてしまうよりも、積極的にあなたの能力をアピールする戦略を立てましょう。
さらに、中小企業の中には、社会人野球チームを支援したり、現役選手としての活動に理解のある企業もあります。もし、あなたが野球経験者であれば、その経験と数検の勉強を通して培った論理的思考力を組み合わせ、企業にアピールするのも一つの方法です。もちろん、これはあくまでも可能性の一つであり、全ての企業がそうとは限りません。しかし、あなたの個性や強みを最大限に活かす就職活動を心がけることが大切です。
就職活動は大変ですが、あなたの努力が必ず実を結ぶと信じています。頑張ってください!