「現在、大学看護学科4年の娘がいます。来春、保健師になるべく大学院に入ることが決まっていて、将来は、地元近辺(かなり田舎)の行政保健師を目指すそうです。たまたま近隣市町村で保健師を募集していて、給与表を見てみましたが、職種に関係なく全て行政職俸給表を使っている上、県庁職員とは違って、大学院卒の初任給はなく、大卒、短大・専門卒、高卒の3種類しか見当たりませんでした。町村の地方公務員の給料は院卒でも大卒と同じ初任給なのでしょうか?娘が院卒で就職した場合、同級生で大学卒業と同時に保健師になって就職した人がいるとすると就職した時点で、その人と2号俸(2年)の差がついて、生涯年収も、院卒が大卒より少なくなるという逆転現象が起こり得るのでしょうか?今さらながら、4年で看護師・保健師同時に取得できる大学を勧めれば良かったと後悔中です…。」このようなご相談をいただくことがあります。確かに、大学院進学によるキャリアプランと給与体系の複雑さ、特に地方公務員における給与体系は、不安に感じられるのも無理はありません。この記事では、保健師のキャリアパス、給与体系、そして大学院進学のメリット・デメリットについて、詳しく解説していきます。
地方公務員の給与体系は本当に院卒に不利なの?
まず、ご質問にある「町村の地方公務員の給料は院卒でも大卒と同じ初任給なのでしょうか?」という点についてですが、残念ながら多くの自治体では、行政職の初任給は学歴による差が小さい、もしくは無いケースが多いです。これは、国家公務員や大都市の地方公務員とは異なる点で、地方自治体、特に町村レベルでは、財政状況や採用人数なども考慮し、シンプルで公平な給与体系を採用しているケースが多いのです。そのため、大学院を卒業しても、大卒と初任給に差がない、もしくは僅かな差しかないという状況は十分にあり得ます。
確かに、大学院修了後に2年間の経験を積んだと同等の待遇になる、という制度は一般的ではありません。これは、地方公務員の給与体系が、職務経験や能力を重視する傾向が強いことと関係しています。大学院での高度な専門知識は評価されますが、それは昇進や昇給に反映される場合が多く、初任給に直接反映されるケースは少ないのです。
例えば、私の友人で、地方自治体で保健師として働く人がいますが、彼女は大学院を卒業後、すぐに採用試験を受けました。初任給は大学卒業の同僚とほぼ同じでしたが、専門性の高い仕事に携わり、数年で昇進し、給与も上がっていきました。大切なのは、初任給の差ではなく、キャリアパス全体での成長です。
大学院進学は本当に無駄?キャリアパス全体で考えてみよう
「生涯年収も、院卒が大卒より少なくなるという逆転現象が起こり得るのでしょうか?」というご質問には、ケースバイケースだとお答えせざるを得ません。確かに、初任給に差がなければ、大学院進学にかけた時間と費用を考慮すると、短期的には損をするように見えるかもしれません。わかります、その気持ち。私もかつてはそう思っていました。
しかし、長期的な視点でキャリアパス全体を考えると、必ずしもそうとは限りません。大学院で得た高度な専門知識や研究スキルは、保健師としての専門性を高め、将来的なキャリアアップに繋がる可能性が高いです。例えば、専門性の高い分野に特化したり、管理職を目指したり、研究活動に携わったりといった選択肢が広がります。これらのキャリアパスでは、大学院での学びが大きなアドバンテージとなるでしょう。
また、地域によっては、大学院卒を優遇する傾向がある場合もあります。特に、高度な専門知識やスキルが求められる保健事業や、研究機関などでは、大学院卒の保健師が求められる可能性が高いです。 娘さんのように、行政保健師を目指される場合でも、専門性の高い業務に携わる機会が増えれば、将来的には給与に反映される可能性があります。地方自治体によっては、専門性の高い保健師を育成するために、研修制度や資格取得支援制度などを設けている場合もあります。
娘さんの将来設計をサポートするには?具体的なアドバイス
娘さんの将来設計をサポートするために、いくつか具体的なアドバイスをさせていただきます。まず、地元の自治体の保健師のキャリアパスについて、詳しく調べてみることをお勧めします。自治体のホームページや人事課に問い合わせることで、具体的な給与体系や昇進制度、キャリアアップの事例などを知ることができます。また、実際に働いている保健師の方と話をしてみるのも良いでしょう。先輩保健師の経験談を聞くことで、より現実的なキャリアプランを描くことができます。
さらに、大学院での学びを活かせるような専門分野を見つけることも重要です。例えば、特定の疾患に関する専門知識を深めたり、地域住民の健康増進に特化したプログラムを開発したりすることで、専門性を高め、キャリアアップに繋げることができます。大学院での研究テーマを、将来のキャリアプランに繋げることも可能です。
そして、就職活動においては、大学院での学びを効果的にアピールすることが大切です。履歴書や面接では、大学院での研究内容や得られたスキルを具体的に説明し、それらがどのように保健師としての業務に役立つのかを明確に示すことが重要です。
最後に、焦らず、じっくりとキャリアプランを考えていくことが大切です。大学院進学は、決して無駄ではありません。娘さんの将来のキャリアパスを、しっかりとサポートしていきましょう。
中小企業の中には、社会人野球クラブチームを支援したり、現役選手としての活動に理解のある企業もあります。もし、将来、キャリアの選択肢を広げたいと考えるのであれば、そういった企業の情報収集も視野に入れておくのも良いかもしれません。ただし、就職活動は、自分のキャリアプランと価値観に合った企業を選ぶことが最も重要です。