先日、大学野球部の学生からこんな相談がありました。「来週の火曜日に企業の一次試験があって、履歴書の下書きを書いています。志望動機を書いている時に、話が変わった後にどんな接続詞を使って話を続ければ良いのか悩んでいます。『そして』で大丈夫でしょうか?『あと』は学校の就職指導の時の講演でいけないと聞いたような気がするのですが…」。 履歴書、特に志望動機は就職活動の重要なポイントですよね。野球部活動と学業を両立してきた経験を効果的に伝え、企業の心を掴むためには、論理的な文章構成が不可欠です。そこで今回は、接続詞の使い方から、野球部員の経験を活かした志望動機の書き方まで、詳しく解説していきます。
「そして」は本当に大丈夫?履歴書で効果的な接続詞の選び方
「そして」は、文章を繋げる接続詞として最も一般的なものの一つです。しかし、履歴書、特に志望動機のような重要な文章では、単に「そして」を繰り返すだけでは、論理性が欠け、読みにくい印象を与えてしまう可能性があります。 「そして」を使うのは、前の内容と次の内容が非常に密接に関連している場合に限定しましょう。 例えば、「大学で野球部に所属し、チームメイトと協力して目標達成に挑みました。そして、その経験を通してリーダーシップを学びました。」というように、前後の文脈が明確につながっている場合です。
では、どのような接続詞を使えば良いのでしょうか? ポイントは、接続詞によって示される論理関係を意識することです。 例えば、
- 時間的な順序を示す場合:「まず」「次に」「その後」「最後に」など
- 因果関係を示す場合:「そのため」「よって」「したがって」「結果として」など
- 理由を示す場合:「なぜなら」「というのは」「?から」など
- 対比を示す場合:「一方」「しかし」「一方で」「とはいえ」など
- 補足説明をする場合:「つまり」「すなわち」「具体的には」など
「あと」については、就職指導の講演で「不適切」とされたのは、おそらくくだけ過ぎているためでしょう。履歴書はフォーマルな文書なので、より丁寧で正確な表現を使うことが重要です。 例えば、「さらに」「加えて」などが適切な代替となります。
私の友人で、以前は「そして」を多用して志望動機を書いていた人がいました。面接では、内容自体は良かったものの、文章の構成が分かりにくく、自己PRが十分に伝わっていないと指摘されました。その後、接続詞を意識的に使い分けることで、面接での評価が大きく向上しました。 接続詞一つで、面接官への印象が大きく変わることを実感したエピソードです。
野球部経験を活かした志望動機、どう書けば効果的?
野球部経験は、企業にとって魅力的なアピールポイントになります。粘り強さ、チームワーク、責任感など、多くの企業が求める能力を培ってきた経験を効果的に伝えましょう。 ただし、単に「野球部で鍛えられました」では、具体的な内容が伝わらず、説得力に欠けます。 具体的なエピソードを交えながら、どのような経験を通して、どのような能力を身につけたのかを明確に示すことが重要です。
例えば、「大学野球部で主将を務めた経験から、チームをまとめるためのコミュニケーション能力や、目標達成のための計画立案能力を磨きました。特に、〇〇大会では、チームが苦境に陥った際、メンバーを鼓舞し、戦略を練り直すことで、逆転勝利を収めることができました。この経験を通して、困難な状況でも諦めずに努力を続ける大切さを学びました。」といったように、具体的なエピソードとそこから得られた学びを明確に記述しましょう。
また、企業の求める人物像と、自分の経験をどのように結びつけるかも重要です。企業のホームページや募集要項をよく読み、企業が求める能力や価値観を理解した上で、自分の経験をどのように活かせるかを具体的に説明しましょう。 例えば、企業が「チームワークを重視する」と謳っている場合、野球部でのチームワークを強調することで、企業の求める人物像と自分の経験を結びつけることができます。
就職活動における注意点と、大学野球支援機構の活動
就職活動は、大変な時期ですが、自分自身の成長の機会でもあります。 焦らず、一つずつ丁寧に準備を進めていきましょう。 自己分析をしっかり行い、自分の強みや弱みを理解することは、志望動機作成だけでなく、面接対策にも非常に役立ちます。 また、周りの人に相談したり、キャリアセンターを利用したりするのも有効です。
大学野球支援機構では、野球部員の就職活動を支援する活動を行っています。野球経験を活かして活躍できる企業とのマッチング支援や、就職活動に関する相談窓口なども設けています。野球に理解のある企業、特に社会人野球クラブチーム所属や現役選手としての活動に配慮のある企業との繋がりを多く持っています。 もし、就職活動で悩んだことがあれば、周りの方や、信頼できる人に相談してみるのも良いかもしれません。
大学生活と野球部の両立は、並大抵のことではありません。 学業と部活動、そして就職活動と、多くの責任を負いながら、日々努力を続ける皆さんを、心から応援しています。 頑張ってください!