「こんにちは。私は現在就職活動をしている大学4年生です。今週、第一志望の会社の役員面接を受けます。先輩の話だと、『(最も)挫折した経験』について質問されるそうです。私が学生時代に挫折した経験として、真っ先に思い浮かぶのは”身内の死”です。事故で身内を失ったとき、生前にもっと色々な事をしてやれば良かったという後悔と何も出来ない自分の無力さに呆然としてしまいました。しかし現在は自分の中で色々考えることにより、前向きに考えられるようになっています。複数の役員の方の前でこのような話をするのはやはり重たすぎるでしょうか?他にはアルバイトや勉強のことでも話せなくはないですが・・・どうか考えをお聞かせ下さい。そしてもし良かったらこういう話の仕方も提案していただけると有り難いです。」 この相談、大学野球部の学生さんからよくある悩みの一つです。大切なのは、企業が求める「挫折経験」の真意を理解し、自身の経験を効果的に伝えることです。一緒に考えていきましょう。
役員面接で「挫折経験」を聞かれる本当の意図とは?
「挫折経験」について聞かれるのは、単に辛い経験を聞きたいからではありません。企業は、あなたの問題解決能力、粘り強さ、成長力を見極めようとしています。 どんな困難に直面しても、そこから何を学び、どのように成長できたのか、そして、その経験があなたをどのように変えたのかを知りたいのです。 ですから、単に辛い出来事を淡々と語るだけでは不十分です。 重要なのは、その経験から何を学び、どのように成長し、そして現在、どのように活かしているか、という点です。例えば、私の友人で、大学時代に主力選手だったにも関わらず、怪我で選手生命を絶たれた人がいました。彼は、その経験からリハビリテーションの大切さを学び、現在はスポーツトレーナーとして活躍しています。彼の面接での話し方は、単に怪我をしたという事実を語るのではなく、怪我を通して学んだこと、そしてそれを活かしてどのように社会貢献したいか、という点に焦点を当てていました。これは非常に効果的な伝え方だったと思います。
身内の死という重い経験を面接で語ることは適切?
身内の死という、非常に辛い経験を面接で語ることに迷う気持ち、よく分かります。確かに、面接官によっては重すぎる、と感じるかもしれません。しかし、適切な伝え方をすれば、あなたの誠実さ、深い洞察力、そして成長力を伝える強力な武器になり得ます。 大切なのは、悲しみや後悔に重点を置くのではなく、その経験を通してあなたがどのように成長し、変化したかを明確に伝えることです。例えば、「身内の死をきっかけに、人生の有限さを痛感し、より積極的に目標に向かって努力するようになりました」「以前はネガティブな思考に陥りがちでしたが、この経験を通して、困難を乗り越えるためのメンタルの強さを身につけました」といったように、ポジティブな転換を強調することが重要です。 ただし、感情に流されずに、簡潔で分かりやすい言葉で説明することを心がけましょう。面接時間は限られていますので、要点を絞って話すことが大切です。
「挫折経験」を効果的に語るための具体的な方法
では、具体的にどのように話せば良いのでしょうか。 まず、STAR法を活用することをお勧めします。STAR法とは、Situation(状況)、Task(課題)、Action(行動)、Result(結果)の4つの要素を明確に説明する手法です。 あなたの場合は、
- Situation:身内の事故と、その時の状況(例:突然の事故だった、病院での状況など。ただし、詳細な描写は避け、簡潔に)
- Task:その状況下で、あなたが抱えた課題(例:深い悲しみ、将来への不安、自分の無力感など)
- Action:その課題に対処するために、あなたがどのような行動をとったか(例:カウンセリングを受けた、友人や家族に相談した、目標を設定して努力を始めたなど)
- Result:その行動によって、どのような結果が得られたか(例:前向きな考え方ができるようになった、メンタルが強くなった、目標達成への意欲が高まったなど)
この4つの要素を明確に伝えれば、面接官はあなたの経験をより深く理解し、あなたの成長力や問題解決能力を評価してくれるでしょう。 また、具体的なエピソードを交えることで、より説得力が増します。 例えば、「友人との野球部の練習を通して、チームワークの大切さを改めて感じました」など、具体的な状況や行動を説明することで、あなたの経験がより鮮明に伝わります。さらに、自分の言葉で話すことを心がけてください。事前に原稿を作成するのも良いですが、暗記するのではなく、自分の言葉で話す練習をしましょう。そうすることで、自然で誠実な印象を与えることができます。 そして、面接の最後に、企業への貢献について触れることも重要です。 あなたの経験から学んだことを活かして、どのように企業に貢献したいのかを明確に伝えましょう。
大切なのは、あなたの経験を「負の経験」として終わらせるのではなく、「成長の糧」として捉え、前向きに語ることです。 面接官は、あなたの過去よりも、未来に興味を持っていることを忘れないでください。 あなたの経験と成長を、企業にとってプラスとなる要素として効果的に伝えれば、必ず良い結果が得られるはずです。 もし、就職活動についてさらに悩んだことがあれば、周りの人に相談したり、キャリアセンターなどを利用してみるのも良いかもしれません。 そして、自分の強みや弱みをしっかりと理解し、自信を持って面接に臨んでください。
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