大学卒業後、建築の専門学校を卒業し、設計事務所に就職した方から、仕事でミスが多く怒られ続け、辞めたいと悩んでいるというご相談がありました。「24年間適当な生き方しかしてこなかった」など、人格を否定されるような言葉も浴びせられているとのこと。小さな事務所で相談相手もおらず、毎日嘔吐するほど辛い状況とのことです。 この相談を元に、同じような悩みを抱える方に向けて、少しでも力になれるような情報を提供したいと思います。
新卒でミスが多いのは、本当に「あなた」が悪いのでしょうか?
「どうしてこんなにできないんだろう」「なんて役立たずなんだろう」…そう自分を責めてしまう気持ち、本当に良く分かります。私も新卒の頃は、些細なミスで上司に厳しく叱責され、自己肯定感がガタ落ちした経験があります。毎日が不安で、胃が痛かったのを今でも鮮明に覚えています。 しかし、新卒でミスが多いのは、決してあなただけのせいではない可能性が高いのです。
まず、考えられる原因の一つとして、仕事の教え方が不十分という点が挙げられます。小さな事務所では、マンツーマン指導が難しく、先輩社員が忙しい中で、丁寧に指導する時間が取れないケースも多いです。 例えば、ある建築設計事務所で働いていた友人は、先輩から「この図面を修正して」と指示されたものの、修正の基準が曖昧で、何度もやり直しをさせられたと言っていました。結局、上司が納得する修正方法を理解するまで、数日かかり、その間、他の仕事が進まず、さらにストレスが溜まったそうです。
また、コミュニケーション不足も大きな原因です。あなたの相談にもあるように、「やったつもり」なのに全然違うと怒られるというのは、指示の受け方、伝え方に問題があった可能性があります。 例えば、指示を受けた際に、内容をきちんと確認し、「〇〇という理解でよろしいでしょうか?」と確認する習慣を身につけることで、ミスを減らすことができます。さらに、作業の進捗状況をこまめに報告することで、上司との認識のずれを防ぎ、誤解を解くこともできます。
さらに、職場環境も重要な要素です。「知らん」「所長はそういう人だから」と相談に乗ってくれない職場では、安心して仕事に取り組むことができません。 このような環境では、ミスが増えやすく、精神的な負担も大きくなってしまいます。 あなたの頑張りをきちんと評価してくれる、相談しやすい環境を探すことも、一つの選択肢です。
「怒られないように」ではなく、「どうすれば成長できるか」を考える
「怒られないように」という考えに囚われてしまう気持ちも、よく分かります。しかし、常に「怒られない」ことを意識していると、成長の機会を逃してしまう可能性があります。 ミスを恐れて新しいことに挑戦できなくなったり、自分の意見を言えなくなったりするからです。
大切なのは、ミスから学ぶことです。ミスをした時は、なぜミスをしたのかを冷静に分析し、同じミスを繰り返さないように対策を立てることが重要です。 例えば、メモをきちんと取る、作業前にチェックリストを作成する、先輩に確認してもらうなど、具体的な対策を立てることで、ミスを減らすことができます。 そして、ミスは成長のチャンスだと捉えることも大切です。ミスから学び、成長していくことで、自信をつけ、仕事にも慣れていくことができるでしょう。
また、自分の強みや弱みを把握することも重要です。自分の得意な分野に集中することで、成果を出しやすくなり、自信にも繋がります。苦手な分野は、積極的に先輩に相談したり、研修を受けたりすることで、克服していくことができます。 例えば、図面作成が苦手であれば、CADソフトの操作に関する研修を受けたり、先輩にコツを聞いたりするのも良いでしょう。
転職を考える前に…できることを探してみよう
たった一ヶ月半で転職を考える気持ちも、よく分かります。しかし、すぐに転職を決断する前に、できることを探してみることをお勧めします。 転職活動は、想像以上に時間と労力を要します。 まずは、今の職場環境で改善できる点がないか考えてみましょう。
例えば、上司に直接、仕事の進め方やコミュニケーションについて相談してみるのも一つの方法です。 「最近、ミスが多くて悩んでいます。どのようにすれば改善できるでしょうか?」と、具体的に相談することで、上司の理解を得られるかもしれません。 また、同僚とのコミュニケーションを積極的に図ることも大切です。 ランチに誘ってみたり、仕事の合間に雑談をしたりすることで、良好な人間関係を築くことができます。 小さなことでも良いので、職場環境を少しずつ改善していく努力をすることで、気持ちが楽になるかもしれません。
それでも状況が改善しない場合は、転職も一つの選択肢です。しかし、転職活動は、綿密な計画と準備が必要です。 まずは、自分のキャリアプランを明確にし、どのような仕事がしたいのか、どのような職場環境を求めているのかを具体的に考えましょう。 そして、求人情報サイトなどを活用して、自分に合った企業を探し、応募書類を作成し、面接対策をしっかり行いましょう。 転職活動は、自分自身を見つめ直す良い機会にもなります。
もし、あなたが建築業界で働き続けたいと考えているなら、当機構が支援している中小企業の中には、社会人野球クラブチームへの所属や現役選手としての活動に配慮のある企業も存在します。 野球経験を活かしながら、働きやすい環境を見つけることができるかもしれません。 もちろん、これは一つの選択肢であり、強制するものではありません。 まずは、自分の気持ちを整理し、じっくりと将来について考えてみてください。