先日、機構にはお子さんが美術大学に合格された保護者の方から、将来の進路についてご相談がありました。「お子さんが写真専攻の2つの学科に合格し、どちらかを選択しなければならない状況で、就職に有利な専攻を選びたい」という内容でした。美大の就職活動は確かに容易ではありませんが、適切な選択と準備で、お子さんの夢と将来を両立させることは可能です。この記事では、美大における就職活動の現状と、写真専攻における就職戦略について、具体的なアドバイスと、大学生活と両立できる方法を解説します。
美大卒業後の就職活動って、本当に厳しいの?
「美大は就職が厳しい」という噂、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。確かに、一般企業への就職を目指す場合、専門性を活かせる職種は限られており、競争も激しいかもしれません。しかし、それは決して「就職できない」という意味ではありません。 むしろ、「戦略的な就職活動」が必要ということです。 例えば、私の友人で、デザイン科を卒業した者は、卒業制作で高い評価を得たことで、大手広告代理店に内定を得ました。また、別の友人は、在学中にデザイン系のインターンシップを積極的に経験し、そこで培ったスキルと人脈を活かして、希望の企業に就職しました。 このように、準備と戦略次第で、美大卒業後も十分に活躍できる道は開けています。
美大生は、独自の感性や表現力、創造性といった強みを持っています。これらの強みは、企業にとって貴重な財産となる可能性があります。デザイン、映像制作、広告、編集など、クリエイティブな分野はもちろんのこと、近年では、IT業界やマーケティング業界など、幅広い分野で美大出身者の活躍が見られます。重要なのは、自分の強みを活かせる就職先を見つけること、そしてそれを効果的にアピールすることです。
就職活動は、早めの準備が鍵です。3年生の頃から、就職活動に関する情報を集め始め、インターンシップに参加したり、ポートフォリオを作成したりするなど、積極的に行動していくことが大切です。また、大学が提供する就職支援制度を積極的に活用することも有効です。キャリアセンターの相談会に参加したり、就職活動に関するセミナーを受講したりすることで、就職活動に必要な知識やスキルを身につけることができます。
写真専攻の2つの学科…どちらが就職に有利?
ご相談にあった写真専攻の2つの学科についてですが、どちらが就職に繋がりやすいとは一概に言えません。重要なのは、それぞれの学科で学べる内容と、将来目指したいキャリアとの整合性です。 例えば、どちらかの学科が商業写真の技術を専門的に学べる一方、もう片方の学科が芸術写真に特化しているといった違いがあるかもしれません。お子さんが将来、どのような分野で活躍したいと考えているのか、その目標を明確にすることが、学科選択の重要なポイントになります。
もし、企業への就職を第一に考えるのであれば、商業写真に特化した学科の方が有利かもしれません。広告写真、商品写真、ポートレートなど、企業ニーズの高い分野の技術を習得できるからです。しかし、フリーランスとして活動したい、あるいは芸術性の高い作品制作を目指したいのであれば、芸術写真に特化した学科の方が適しているかもしれません。いずれにしても、将来のキャリアプランを明確にした上で、より自分に合った学科を選択することが重要です。
また、就職活動においては、ポートフォリオの質が非常に重要になります。写真専攻であれば、自身の作品をまとめたポートフォリオは、企業に自分のスキルや個性を示すための強力な武器となります。そのため、在学中から積極的に作品制作を行い、質の高いポートフォリオを作成していくことが不可欠です。さらに、作品に込めた想いやコンセプトを明確に説明できる力も重要です。企業は、技術力だけでなく、コミュニケーション能力や表現力も評価します。
大学生活と就職活動の両立…どうすればうまくいく?
大学生活と就職活動の両立は、容易ではありません。特に、美術大学では、作品制作に多くの時間を費やす必要があるため、時間管理が非常に重要になります。時間管理術を身につけることは、大学生活と就職活動の両立において不可欠なスキルです。例えば、タスク管理アプリを活用したり、スケジュール帳を効果的に使ったりすることで、時間管理を効率化することができます。
また、周りの人に相談することも大切です。友人や教授、キャリアセンターの担当者などに相談することで、悩みを解決したり、新たな視点を得たりすることができます。一人で抱え込まず、積極的に周囲の力を借りることで、よりスムーズに就職活動を進めることができます。そして、自分のペースを保つことも大切です。焦らず、自分のペースで着実に準備を進めていくことで、より良い結果を得られる可能性が高まります。
さらに、大学生活を充実させることも重要です。部活動やサークル活動、ボランティア活動など、大学生活を積極的に楽しむことで、視野が広がり、人脈も広がります。これらの経験は、就職活動においても大きなプラスになります。大学生活を充実させることは、就職活動にも良い影響を与えるということを覚えておきましょう。 もし、お子さんが野球部などに所属している場合は、その経験も就職活動で活かせる可能性があります。責任感やチームワーク、目標達成能力といった、部活動で培ったスキルは、多くの企業が求める能力です。 これらの経験を効果的にアピールすることで、就職活動に有利に働く可能性があります。 もし、お子さんの就職活動に不安がある場合は、野球に理解のある中小企業への就職支援なども検討してみてはいかがでしょうか。 もちろん、これはあくまで選択肢の一つです。お子さんの将来にとって最善の選択を一緒に考えていきましょう。