先日、大学野球支援機構には、こんな相談がありました。「息子は大学で野球部に所属しながら医学部を目指していますが、練習と勉強の両立に苦労しています。将来、医者として活躍できるのか、不安です。野球を続けながら医師になることは可能なのでしょうか？」　多くの野球部員、そしてそのご家族が抱える共通の悩みですよね。今回は、野球と医学部進学、そして医師としてのキャリアという、一見すると両立が難しいように見える目標をどのように実現していくかについて、具体的な事例を交えながらお話しします。

野球と医学部進学の両立は本当に難しい？

「野球部員は医学部進学が難しい」と考える方もいるかもしれません。確かに、医学部進学は並大抵の努力では達成できない高いハードルです。膨大な量の勉強時間が必要ですし、入学後も厳しい授業や実習が待ち受けています。さらに、野球部活動も時間と体力を要します。両立は、想像以上に大変です。わかります、その大変さ。

しかし、不可能ではありません。多くの野球部員が、厳しい練習と学業の両立を乗り越え、医学部進学、そして医師としてのキャリアを築いています。例えば、私が以前関わった大学では、野球部主将を務めながら医学部に進学し、卒業後も医師として活躍している卒業生がいます。彼は、綿密な時間管理と効率的な学習方法を身につけることで、両立を実現しました。彼の成功談は、「努力と工夫次第で、夢は叶えられる」ということを示しています。

大切なのは、計画性と優先順位の明確化です。まず、年間スケジュールを立て、練習時間、勉強時間、休息時間をしっかりと確保しましょう。そして、その中で、「何を優先すべきか」を常に意識することが重要です。例えば、重要な試験が近づいている場合は、練習時間を短縮したり、休養日を減らしたりする必要があるかもしれません。逆に、試合が近い場合は、勉強時間を調整する必要があるでしょう。柔軟な対応が求められます。

また、周りのサポートも欠かせません。チームメイト、監督、コーチ、そして家族など、周囲の理解と協力を得ながら、目標に向かって進んでいくことが大切です。相談できる相手を持つことは、大きな支えになります。

医師としてのキャリアパスは野球経験を活かせる？

「医師になってからも、野球経験が活かせるのだろうか？」と疑問に思う方もいるかもしれません。一見すると、医師と野球は全く関係ないように思えますが、実は共通点がいくつかあります。

• 高い責任感と忍耐力：野球部では、チームの勝利のために、常に責任感と忍耐力を持って取り組む必要があります。医師も同じです。患者さんの命を預かる仕事なので、高い責任感と忍耐力が不可欠です。
• チームワーク：野球はチームスポーツです。チームメイトと協力し、互いに支え合うことで、勝利を目指します。医師も、医療チームの一員として、看護師や薬剤師など様々な職種の人々と協力して、患者さんの治療にあたります。
• 精神力：厳しい練習や試合を乗り越えるためには、強い精神力が必要です。医師も、困難な状況に直面することが多く、強い精神力が求められます。
• リーダーシップ：野球部では、キャプテンや副キャプテンなどのリーダーシップを発揮する機会があります。医師も、チームをまとめ、指導する役割を担うことがあります。

これらの経験は、医師としてのキャリアにおいても大きな強みとなります。面接の際などに、これらの経験を効果的にアピールすることで、好印象を与えることができるでしょう。特に、困難な状況を乗り越えた経験は、医師として必要な資質を証明する上で非常に有効です。

野球部員のためのキャリア支援：中小企業との連携

大学野球支援機構では、野球部員のキャリア支援にも力を入れています。特に、野球に理解のある中小企業との連携を強化し、就職活動のサポートを行っています。社会人野球クラブチーム所属や現役選手としての活動に配慮のある企業とのネットワークを構築することで、野球部員が安心して就職活動を進められる環境づくりを目指しています。もちろん、医学部進学を目指す学生にも、将来のキャリアプランの相談に乗ったり、必要な情報を提供したりしています。

例えば、ある学生は、医師を目指しながらも、将来は社会人野球チームでプレーを続けたいと考えていました。機構では、彼の希望を踏まえ、社会人野球チームと連携のある企業を紹介しました。その企業では、彼の希望を尊重し、勤務時間や休日の調整など、柔軟な対応をしてくれるとのことでした。このように、個々の状況に合わせた柔軟なサポートを提供することで、野球部員がそれぞれの夢を実現できるよう支援しています。

野球部員は、「野球を続けながら、自分の夢を実現できる」という選択肢を常に持っているべきです。そのためには、早いうちからキャリアプランを立て、具体的な行動を起こすことが大切です。そして、必要に応じて、周囲のサポートを積極的に活用しましょう。周りの人に相談することで、新たな視点や可能性が見えてくることもあります。