「30代男性です。この春、本社から工場へ左遷されました。明確な理由ははっきり言って分かりません。今まで、頭を使用する仕事をずっとしてきており、工場という肉体労働(ラインの中のルーティンワーク)にまったく馴染めず、モチベーションは下がるばかりです。当然愛社精神なんてものはなくなりました。こういうご時世だからしがみついてでも会社に残るべきか、思い切って転職活動をすべきか?そんなことばかり考えています。現状では自分のキャリアにとってプラスはまったくないと思っています。どういう心構えで仕事に臨むべきか、もしくは転職活動をすべきか等々アドバイスをお願いします。ご自身の経験談や周囲の方の話でもかまいません。ちなみに一流と呼ばれる大学を卒業し、独身。守るものもなく選択肢は色々あるのかなと思ってます。」
この相談、大学野球部員の方やそのご家族、そして将来のキャリアに悩む方々にも共通する部分が多いと感じます。野球部員時代を振り返り、現在の仕事へのモチベーション低下、キャリアへの不安、そして将来への選択肢…、多くの共感を得られる内容だと思います。 この相談を受け、大学野球経験者が社会でどのように活躍しているのか、また、キャリアを考える上で大切な視点についてお話ししたいと思います。
野球部経験は就活で本当に不利?企業の求める人物像とは?
「大学野球部員は就活で不利」と考える方もいるかもしれません。確かに、練習に多くの時間を費やし、企業説明会に参加する時間やインターンシップに参加する機会が限られることは事実です。しかし、野球部経験は決してマイナスではありません。むしろ、企業が求める人物像と重なる部分が多いのです。
例えば、野球部では、厳しい練習を通して忍耐力や精神力、目標達成能力を磨きます。チームとして活動するため、コミュニケーション能力や協調性も不可欠です。これらの能力は、社会に出てからも非常に役立ちます。さらに、責任感やリーダーシップ、困難に立ち向かう力なども、野球部活動を通して培われる重要な資質です。
私の友人で、有名企業に就職した元野球部員がいます。彼は、面接で「野球部での経験を通じて培った粘り強さやチームワークの大切さを活かして、仕事に取り組みたい」と語ったそうです。その熱意が評価され、内定を得ることができました。もちろん、企業によって求める能力は異なりますが、野球部経験をどのようにアピールするかが重要です。
工場勤務への転勤…モチベーションを維持する方法はある?
本社勤務から工場勤務への異動、しかも明確な理由がない…、悩みますよね。わかります。 モチベーションが下がるのも当然です。しかし、どんな仕事にも学ぶべき点、成長できる点は必ずあります。
例えば、工場勤務では、現場のリアルな状況を肌で感じることができます。製品づくりの工程全体を理解し、改善点を見つけることで、自身の成長にも繋がります。また、ライン作業を通して、正確性や効率性を意識する習慣が身につくでしょう。これらの経験は、将来、管理職になった際にも役立つはずです。
もちろん、すぐに前向きになれるとは限りません。まずは、小さな目標を設定し、一つずつクリアしていくことから始めましょう。例えば、「今日一日、ミスなく作業を終える」「新しい作業手順を習得する」「同僚と積極的にコミュニケーションをとる」などです。小さな成功体験を積み重ねることで、自信を取り戻し、モチベーションを維持できるはずです。
転職活動は本当に必要?キャリアを考える上で大切なこと
転職活動をするかどうかは、ご自身のキャリアプランと照らし合わせて慎重に判断する必要があります。 「現状では自分のキャリアにとってプラスはまったくない」と感じているのであれば、転職活動も一つの選択肢です。しかし、安易な転職は避けましょう。転職活動も時間と労力を要しますし、必ずしも希望通りの結果が得られるとは限りません。
まずは、自分自身の強みと弱みを改めて分析してみましょう。野球部での経験、これまでの仕事経験、そして工場勤務を通して得た経験など、全てがあなたのキャリアを形成する上で重要な要素です。そして、将来どのようなキャリアを歩みたいのか、具体的にイメージしてみましょう。その上で、現在の仕事がキャリアプランに合致するのか、転職活動が必要なのかを判断すれば良いでしょう。
もし、転職活動を行うのであれば、自分の強みを明確に伝えられるように準備しましょう。野球部での経験を活かして、どのような仕事に就きたいのか、具体的な目標を提示することが重要です。また、企業の求める人物像を理解し、それに合わせた自己PRをすることも大切です。
そして忘れてはいけないのが、メンタルヘルスです。仕事で辛い思いをしている時こそ、信頼できる友人や家族、専門機関などに相談することが大切です。一人で抱え込まず、周囲の力を借りながら、前向きに進んでいきましょう。 もし、中小企業への就職を考えているのであれば、野球に理解のある企業も多く存在します。社会人野球クラブチーム所属や現役選手としての活動に配慮のある企業を探すことも可能です。 もちろん、就職活動は容易ではありませんが、諦めずに挑戦し続けることが大切です。