先日、大学野球部員からこんな相談がありました。「将来のこと、特に就職活動のことを考えると不安です。野球に打ち込んできたけれど、就活で不利にならないか心配です。何か役に立つ資格を取ろうと思っているのですが、情報処理系の資格ってたくさんあってどれを選べばいいのかわかりません。ワープロ検定と日本語文書処理能力検定の違いもよくわからないですし…。特に、全経のワープロ検定を受けようかと思っているのですが、企業から『なぜ全経?』と聞かれたりするのでしょうか?」
情報処理系の資格ってどれを選べばいいの?
確かに、情報処理系の資格は種類が多くて、何を選べばいいのか迷ってしまいますよね。わかります!私も就職活動の時は本当に悩みました。でも、焦らず一つずつ整理していきましょう。まず、「ワープロ検定」と「日本語文書処理能力検定」の違いについてですが、簡単に言うと、ワープロ検定はワープロソフト(Wordなど)の操作スキルを測る検定で、日本語文書処理能力検定は、文書作成スキル全般(文章力、校正力など)を測る検定です。どちらも就職活動に役立ちますが、求めるスキルによって適した検定が異なります。
例えば、事務職を目指すなら、ワープロソフトの操作スキルが求められることが多いので、ワープロ検定が有効です。一方、企画職や編集職など、文章作成能力が重視される職種であれば、日本語文書処理能力検定の方が有利かもしれません。あなたの将来のキャリアプランを考え、どちらの資格がより役立つのかを検討することが重要です。
そして、初心者でも比較的取得しやすい資格としては、ワープロ検定や、MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)などが挙げられます。MOSはWordやExcel、PowerPointといったMicrosoft Office製品のスキルを証明する資格で、企業での利用率も高く、就職活動で有利に働く可能性が高いです。ワープロ検定は、比較的短期間で取得できるため、忙しい大学生活の中でも挑戦しやすいでしょう。ただし、難易度や取得にかかる時間は、目指す級によって大きく異なりますので、自分のレベルに合った級から始めるのがおすすめです。
ワープロ検定:日商と全経、どっちがいいの?
ワープロ検定には、日商(日本商工会議所)と全経(全国経理教育協会)の2種類がありますよね。どちらが良いか?これは、正直なところ「どちらが良い」とは一概に言えません。どちらも広く認知されている資格なので、どちらを取得しても就職活動に不利になることはありません。
ただし、企業によっては、どちらかの資格を特に好む傾向がある場合もあります。例えば、ある企業では日商の資格を重視している一方で、別の企業では全経の資格を好むというケースも考えられます。そのため、企業の求めるスキルや資格を事前に確認することが重要です。企業のホームページや求人情報などをよく調べて、企業のニーズに合った資格を取得するようにしましょう。
「全経の検定を受けて、なぜ全経なのか聞かれたりする?」というご質問ですが、企業が「なぜ全経?」と質問するのは、あなたの資格取得の意欲や目的を理解するためです。単に資格を取ったという事実だけでなく、なぜ全経を選んだのか、その資格取得を通して何を学び、どのように成長できたのかを説明できれば、企業からの印象も良くなるでしょう。例えば、「全経の検定は、実務に役立つ実践的な内容が多く、就職活動に役立つと考え選択しました」といったように、具体的な理由を説明することが大切です。
私の友人で、大学時代に全経のワープロ検定を取得し、就職活動でその経験について聞かれた際に、「授業で学んだ知識を活かして、より高度なスキルを習得したいと考えました。検定勉強を通して、時間管理や目標設定の重要性を学びました」と答えて、好印象を与えた人がいます。資格取得の過程で得られた経験やスキルについても考えてみましょう。
大学生活と野球と就活の両立、どうすればいいの?
大学生活、野球、そして就活…どれも大切なことですよね。本当に大変だと思いますが、時間管理と優先順位付けが成功のカギです。まず、自分の時間の使い方を可視化してみましょう。1週間のスケジュールを書き出し、野球の練習時間、授業時間、アルバイト時間などを記入し、残りの時間をどのように使うかを計画的に考えます。その上で、就活のための勉強時間や資格取得のための勉強時間を確保しましょう。
効率的な学習方法も重要です。集中して勉強できる時間帯を見つけ、その時間帯に資格の勉強や就活の準備に集中しましょう。また、スマホやSNSの利用時間を制限するなど、誘惑を断ち切る工夫も必要です。さらに、周りの人に相談することも大切です。チームメイトや友人、家族、そして、大学のキャリアセンターなどに相談することで、新たな視点や解決策が見つかるかもしれません。
中小企業への就職も視野に入れてみてはいかがでしょうか。中小企業の中には、野球に理解のある企業も多く、社会人野球クラブチーム所属や現役選手としての活動に配慮のある企業もあります。一般社団法人大学野球支援機構では、そうした企業との就職支援にも力を入れています。もちろん、就職活動は自分自身の努力が最も重要ですが、周囲のサポートを活用することも有効な手段です。 自分の強みや適性、そして将来のキャリアプランをしっかり考え、自分に合った就職活動を進めていきましょう。