先日、大学野球部に所属する学生からこんな相談がありました。「就職面接で、自分の経験についてどこまで話せばいいのかが分かりません。例えば、挫折経験は『挫折経験は〇〇です』とだけ言って、相手の『どう乗り越えましたか?』を待つべきか、それとも最初から『挫折経験は〇〇で、〇〇をして乗り越えました』と説明すべきなのか迷っています。また、長所についても、それを裏付ける経験を聞かれる前に全て話すべきなのかも悩んでいます。面接官が深掘りしてくれなかったり、聞きたいことが聞かれなかったりするのではないかと不安です。」 多くの学生が抱えるこの悩み、一緒に解決していきましょう!
面接官は本当に「キャッチボール」を期待している?
面接官との「キャッチボール」…理想的ですよね。でも、現実的には、面接官は限られた時間の中で、あなたの人物像を効率的に把握しようとしています。そのため、全てを相手の深堀りに委ねるのではなく、自ら積極的に情報を伝え、面接官の理解を促進することが重要です。もちろん、自然な会話の流れを作ることは大切ですが、一方的に話すのではなく、質問に的確に答えつつ、自分の経験や考えを積極的に提示することを意識しましょう。
例えば、挫折経験について。面接官はあなたの「乗り越え方」に興味を持っていることが多いです。「挫折経験は〇〇でした」とだけ述べると、面接官は追加の質問をする必要があります。時間がない面接では、このやり取りが非効率になる可能性があります。そこで、「挫折経験は〇〇で、その経験から〇〇を学び、〇〇という行動で乗り越えました」と、簡潔に要点をまとめて説明する方が、面接官の理解をスムーズに進められます。もちろん、深掘りされたら、さらに詳細な説明を加える準備はしておきましょう。
私の友人で、大学時代に主力選手として活躍しながらも、怪我で思うようにプレーができず、大きな挫折を経験した人がいました。彼は面接で、その経験について「怪我で思うようにプレーができず、悔しい思いをしました。しかし、リハビリに励む中で、チームメイトやコーチからのサポートの大切さ、そして何事にも諦めない粘り強さを学びました。そして、その経験を活かし、チームを支える役割にシフトチェンジすることで、チームに貢献することができました」と説明していました。この説明は、挫折経験だけでなく、そこから得られた学びや行動、そして結果までを明確に示しており、非常に効果的でした。
長所と経験:全てを話す必要はない、でも「準備」は必須!
長所についても同様です。全ての長所を事前に話す必要はありません。事前にいくつかピックアップし、面接官の質問に合わせた形で、適切な長所とそれを裏付ける具体的な経験を説明しましょう。事前に準備しておけば、落ち着いて対応できます。
例えば、「責任感の強さ」を長所として挙げるとします。この場合、「責任感の強いあなたについて教えてください」という質問に備え、具体的なエピソード(例えば、チームのキャプテンとしてチームをまとめ上げた経験など)を準備しておくことが重要です。準備しておけば、スムーズに、そして自信を持って説明できます。逆に、準備不足だと、言葉に詰まってしまったり、支離滅裂な説明になってしまったりする可能性があります。
また、自分の強みだけでなく、弱みについても正直に話すことも重要です。弱みを隠そうとすると、かえってマイナス評価につながる可能性があります。弱みと、その弱みを克服するためにどのような努力をしているのか、あるいは今後どのように克服していくのかを説明することで、成長意欲や自己認識の高さをアピールできます。例えば、「完璧主義すぎて、時に周囲との協調性を欠いてしまうことがあります。しかし、チーム活動を通して、他者の意見を聞き入れ、柔軟に対応する重要性を学びました。今後は、より積極的にコミュニケーションを取り、チームワークを重視した行動を心がけていきたいと考えています。」といった説明が考えられます。
面接対策:練習あるのみ!模擬面接で自信をつけよう
面接対策として最も効果的なのは、模擬面接です。友人や家族、大学のキャリアセンターなどに協力を依頼し、本番さながらの状況で面接練習を行いましょう。模擬面接では、面接官の反応を見ながら、自分の説明方法を改善していくことができます。また、質問への回答を事前に準備するだけでなく、想定外の質問にも対応できるよう、臨機応変な対応力を磨くことも重要です。そして、自分の回答を録音・録画して、客観的に分析することで、改善点を見つけることができます。
例えば、模擬面接で「あなたの最大の失敗は?」という質問を受けた場合、どのように答えるか事前に考えておきましょう。単に失敗を述べるだけでなく、その失敗から何を学び、どのように成長できたのかを明確に説明できるよう練習しましょう。また、面接官の表情や反応を見ながら、説明の内容や伝え方を調整する練習も重要です。何度も練習することで、自信がつき、本番でも落ち着いて対応できるようになります。
さらに、企業研究も欠かせません。企業の理念や事業内容、社風などを理解することで、企業が求める人材像を把握し、それに合わせた自己PRをすることができます。企業のホームページや採用情報サイトをよく見て、企業の雰囲気や求める人材像を理解しましょう。そして、その企業で働くことへの熱意を、面接で効果的に伝える練習をしておきましょう。企業研究は、面接官への好印象につながるだけでなく、あなた自身のモチベーションを高めることにも繋がります。
就職活動は、長く、そして大変な道のりです。しかし、準備をしっかり行い、自信を持って面接に臨むことで、必ず良い結果が得られるはずです。頑張ってください!
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