高校2年生でハンドボール部のエースとして活躍されている方から、顧問の先生からだけ厳しく叱責され、精神的に辛い思いをされているというご相談をいただきました。「顧問の先生からだけ怒られるのは普通のことなのか」「部活動での辛い経験は将来の糧になるのか」といった不安を抱えていらっしゃるようです。この相談内容を元に、大学野球支援機構の視点から、部活動における指導方法、メンタルヘルス、そして将来のキャリア形成について考えてみたいと思います。
顧問の先生からの厳しい指導は、本当に「普通」のことなのでしょうか?
まず、ご相談者の方が感じている「顧問の先生からだけ怒られる」という状況は、決して「普通」のことではありません。部活動は、スポーツを通じて成長を促す場であるべきです。指導者は、部員の能力を伸ばすために適切な指導を行うべきであり、一方的な叱責や暴言は、教育的指導とは言えません。確かに、責任感の強いエースとして、結果に責任を感じ、悔しい思いをするのは当然のことです。しかし、責任の所在を一方的に部員に押し付ける指導方法は、問題があります。チームとして結果を出せなかった場合、責任は監督やコーチ、そしてチーム全体に帰属するものです。個人の責任を強調しすぎる指導は、チームワークを阻害し、部員のモチベーションを低下させる可能性があります。 例えば、私が以前関わった大学野球部の監督は、選手一人ひとりの長所と短所を理解し、それぞれの個性に合わせた指導を心がけていました。厳しい指導をすることもありましたが、それは選手を成長させるためであり、決して人格を否定するようなものではありませんでした。 ご相談者様の状況は、残念ながら健全な指導とは言えない可能性が高いです。
部活動での辛い経験は、将来の糧になるのでしょうか?
「辛い経験は将来の糧になる」という言葉を耳にする機会は多いと思います。確かに、困難を乗り越える経験は、成長の糧となる可能性があります。しかし、それは「建設的な困難」の場合に限ります。ご相談者様の状況のように、一方的な叱責や暴言によって精神的に追い詰められるような経験は、必ずしも将来の糧になるとは限りません。むしろ、ネガティブな感情やトラウマとして残ってしまう可能性があります。 大切なのは、経験から何を学び、どのように成長していくかです。建設的なフィードバックを受け、自身の課題を改善していくことで、成長を促すことができます。しかし、一方的な叱責や暴言は、学びの機会を奪い、精神的な負担を増大させるだけです。 将来、社会に出たとき、上司や同僚との人間関係においても、建設的なコミュニケーションが不可欠です。部活動での経験を通じて、健全な人間関係を築くためのスキルを学ぶことが重要です。そのためには、現在の状況を改善することが必要です。
今の状況を改善するために、どのような行動をとるべきでしょうか?
まず、ご自身の気持ちを誰かに伝えることが重要です。信頼できる友人や家族、学校の先生などに相談してみましょう。一人で抱え込まず、周りの人に助けを求めることは決して恥ずかしいことではありません。 また、ハンドボール部顧問の指導方法について、学校側に相談することも検討してみましょう。学校には、部活動の指導に関する規定や相談窓口があるはずです。 もし、現状が改善されない場合、部活動を続けることへの疑問を持つのも当然です。ハンドボールが好きという気持ちと、顧問の指導方法の矛盾に苦しむ必要はありません。ご自身の心身の健康を第一に考え、適切な判断をしてください。 大学進学を控えている時期であれば、大学生活と部活動の両立、そして将来のキャリアについても考える必要があります。大学によっては、部活動に理解のある環境が整っているところもあります。また、就職活動においても、部活動経験は必ずしもマイナスにはなりません。むしろ、責任感やチームワーク、忍耐力といった貴重な経験を積むことができるでしょう。 大学野球支援機構では、野球部員の就職活動支援にも力を入れています。野球に理解のある企業との連携を強化し、部活動経験を活かせる就職活動をサポートしています。もちろん、ハンドボール部員の方々も、同様のサポートを受けることが可能です。 将来の進路について、ご自身の状況や希望をしっかりと把握し、適切な選択をすることが大切です。そして、どんな選択をしても、自分を責めないでください。あなたは、頑張ってきたのですから。