「高校1年生の甥が万引きをしてしまい、学校から停学か退学の可能性があると告げられました。成績は良いのですが、髪型や服装の注意も何度か受けていたようです。自主退学か懲戒退学か、どちらが良いのか悩んでいます。懲戒退学は将来、就職活動などに不利になるのでしょうか?また、定時制高校への進学は可能でしょうか?」このようなご相談を受けました。ご心配な気持ち、よく分かります。今回は、高校生の万引きによる懲戒退学・自主退学の可能性と、将来への影響について、具体的な事例を交えながらお話しします。
懲戒退学と自主退学、何が違うの?将来への影響は?
まず、懲戒退学と自主退学の違いについて整理しましょう。懲戒退学は、学校の規則や規律に違反した行為に対して、学校側が処分として下すものです。一方、自主退学は、生徒自身または保護者が、何らかの理由で学校を辞めることを決めた場合に行われます。どちらも学校を退学することには変わりありませんが、その経緯や記録に大きな違いがあります。これが、将来に影響を与える重要なポイントです。
懲戒退学の場合、その理由は学校記録に残ります。これは、将来、就職活動や大学進学などにおいて不利に働く可能性があります。企業によっては、応募書類の提出時に過去の学校生活に関する質問事項があったり、面接で詳細な説明を求められるケースもあります。もちろん、企業によって対応は様々ですが、万引きという行為は、誠実さや倫理観を問われる場面でマイナスの評価につながる可能性は否めません。特に、厳格な倫理観が求められる業界では、影響が大きくなるでしょう。
一方、自主退学の場合、記録の扱い方は学校によって異なりますが、懲戒退学に比べて、記録に残る情報が限定的であることが多いです。ただし、自主退学の理由によっては、面接で説明を求められる可能性はあります。甥御さんの場合は、万引きという事実を隠すことはできません。しかし、自主退学を選択することで、「問題を自ら受け止め、改善しようと努力している」という姿勢を示す機会が生まれるかもしれません。
例えば、私の知人の息子さんは、高校時代に不祥事を起こし、自主退学を選びました。その後、彼はアルバイトをしながら反省し、資格取得に励みました。その経験と努力を面接で正直に説明したところ、企業側から高く評価され、内定を得ることができました。重要なのは、過去の過ちをどのように受け止め、そこから何を学び、どのように成長したかを示すことです。
定時制高校への進学は可能?進路選択の選択肢は?
懲戒退学でも、定時制高校への進学は不可能ではありません。しかし、入学審査において、過去の事情について説明する必要が出てくるでしょう。正直に説明し、反省の姿勢を示すことが大切です。また、定時制高校は、通常の高校に比べて入学基準が緩やかな場合が多いですが、学校によって基準は異なりますので、事前に確認が必要です。
進路選択の選択肢は、懲戒退学・自主退学のどちらを選んだとしても、必ずしも閉ざされるわけではありません。例えば、通信制高校、専門学校、就職など、様々な選択肢があります。大切なのは、甥御さんが自分の状況を正確に把握し、将来の目標を定め、それに合った道を選択することです。万引きという出来事を教訓に、将来に向けてどのように努力していくのか、具体的な計画を立てることが重要です。
この計画を立てる際に、保護者の方のサポートが非常に重要になります。甥御さんの気持ちを理解し、寄り添いながら、将来の目標設定や具体的な行動計画を一緒に考え、実行していくことが必要です。焦らず、じっくりと時間をかけて、将来の展望を一緒に描いていきましょう。
大学野球と進路…万引きの反省を生かすには?
もし、甥御さんが将来、大学で野球を続けたいと考えている場合、今回の出来事が大きな壁となる可能性があります。しかし、決して諦める必要はありません。大学によっては、過去の不祥事を考慮した上で、入学を許可してくれるところもあるかもしれません。重要なのは、反省の姿勢と、将来への具体的な計画です。大学野球部への進学を希望する場合は、その大学野球部の指導者の方と直接話し合い、誠実に自分の気持ちを伝えることが大切です。
また、大学進学だけでなく、社会人野球という選択肢もあります。社会人野球チームの中には、選手としての活動と仕事の両立を支援する体制が整っているチームもあります。 もし、甥御さんが野球を続けたいという強い意志を持っており、その意志を支える環境があれば、社会人野球という道も検討してみる価値があるかもしれません。もちろん、社会人野球への道も容易ではありませんが、努力次第で可能性は広がります。
大学野球支援機構では、野球に理解のある中小企業への就職支援を行っており、社会人野球クラブチーム所属や現役選手としての活動に配慮のある企業を紹介することも可能です。これは、将来の進路を考える上で一つの選択肢として知っておくだけでも、心の支えになるかもしれません。
いずれにしても、甥御さんが前向きに未来に向き合い、努力を続けることが大切です。今回の経験を糧に、より成長できるよう、温かく見守ることが重要です。