先日、大学進学を希望する高校球児とそのご家族から、こんなご相談を受けました。「高校受験で、公立高校と私立高校の両方に併願受験をしたのですが、もしも両方不合格になってしまったら、どのような進路の選択肢があるのでしょうか?また、それぞれの選択肢にはどのようなデメリットがあるのでしょうか?」 野球を続けながら大学進学を目指す多くの高校生にとって、受験は大きな試練ですよね。今回は、併願受験が不合格だった場合の進路選択肢と、それぞれのデメリットについて、詳しく解説していきます。一緒に考えていきましょう。
併願受験が不合格だった場合、どんな進路があるの?
併願受験に落ちてしまった…と想像するだけで、不安でいっぱいになりますよね。わかります。しかし、落ち込んだままでは何も始まりません。まず、冷静に、どんな選択肢があるのかを考えてみましょう。大きく分けて、以下の3つの選択肢が考えられます。
- 再受験:翌年の高校受験に挑戦する道です。この場合、1年間のブランクが生じます。高校野球を続けるためには、その1年間の練習環境を確保する必要があります。近隣の高校の練習に参加させてもらえるか、個人練習に励むか、あるいは、野球とは離れて過ごすか…様々な可能性を検討する必要があります。
- 通信制高校への進学:通常の高校と比較して、通学日数が少なく、自分のペースで学習を進められるのが特徴です。野球部のある通信制高校も存在しますので、野球を続けながら高校卒業資格を取得できる可能性があります。ただし、学習面での自発性が求められるため、計画性と強い意志が必要です。また、通常の高校と比べて、部活動のレベルや仲間との交流の機会が限られる可能性もあります。
- 専門学校・各種学校への進学:高校卒業資格は不要な場合が多いので、すぐに専門的な知識や技術を学ぶことができます。野球とは関係のない分野を選ぶことも、野球に関連した分野(スポーツトレーナーなど)を選ぶことも可能です。ただし、大学進学の道は閉ざされます。また、専門学校によっては、野球部のような部活動がない場合もあります。
どの選択肢を選ぶかは、ご自身の状況や将来の目標によって大きく変わってきます。例えば、甲子園出場を目指していた生徒は、再受験を選択する可能性が高いでしょう。一方、野球を続けながら専門的なスキルを身につけたい生徒は、専門学校を選択するかもしれません。大切なのは、ご自身の状況を客観的に分析し、将来のビジョンと照らし合わせながら、最適な選択肢を選ぶことです。焦らず、じっくりと時間をかけて考えてみましょう。
それぞれの選択肢のデメリットって?
それぞれの選択肢には、当然ながらデメリットも存在します。それを知った上で、より良い選択をすることが大切です。それぞれのデメリットを具体的に見ていきましょう。
- 再受験のデメリット:1年間のブランクは、学力面だけでなく、野球の技術面にも影響を与える可能性があります。また、精神的な負担も大きくなり、モチベーションを維持することが難しくなる場合もあります。さらに、経済的な負担も増加します。
- 通信制高校のデメリット:学習面での自発性が求められるため、計画性と強い意志が不可欠です。また、通常の高校と比べて、部活動のレベルや仲間との交流の機会が限られる可能性があります。大学進学を目指す場合、大学入学資格を得るための学習計画をしっかり立てる必要があります。
- 専門学校・各種学校のデメリット:大学進学の道が閉ざされる点が大きなデメリットです。また、専門学校によっては、就職活動のサポート体制が充実していない場合もあります。将来のキャリアプランをしっかりと立て、専門学校卒業後の進路を具体的にイメージすることが重要です。
私の友人で、高校受験に失敗し、通信制高校に進学した子がいます。彼は、最初は落ち込みましたが、通信制高校で野球を続けながら、自分のペースで学習を進め、見事大学進学を果たしました。彼の成功例は、どんな状況でも、前向きな姿勢と努力があれば道は開けるということを示しています。しかし、彼の場合は、強い意志と周りのサポートがあったからこそ成功できたのです。デメリットをしっかり理解した上で、自分自身の状況と照らし合わせて、最適な選択をすることが大切です。
大学進学と野球を両立するには?
もし、大学進学を目指しているのであれば、高校生活での経験を活かし、大学野球部での活躍を目標にするのも良いでしょう。大学野球部は、高校野球とはまた違った魅力があります。より高度な技術や戦術を学ぶことができ、全国レベルの選手と競い合うことで、自身の成長を促すことができます。もちろん、大学生活と野球の両立は容易ではありません。時間管理能力や自己管理能力が非常に重要になります。
例えば、ある大学の野球部員は、授業の合間や週末を利用して、効率的に練習に取り組むことで、学業と野球の両立を実現していました。彼は、綿密なスケジュール管理と、周りの友人やコーチからのサポートによって、両立を成功させています。 大学によっては、部活動に理解のある企業への就職支援を行っているところもあります。 将来、社会人野球で活躍したいと考えている学生さんには、特に心強いサポートとなるでしょう。 もちろん、就職活動は大学生活における大きな課題の一つですが、計画的に進めていけば、必ず乗り越えることができます。
大学進学と野球の両立は、決して簡単なことではありませんが、目標を明確にし、計画的に行動することで、必ず実現可能です。周りの人に相談したり、サポート体制を整えたりすることで、よりスムーズに両立を進めることができるでしょう。 大切なのは、諦めずに努力を続けることです。