先日、大学進学を控えた高校生からこんな相談を受けました。「就職試験の作文で、1200字も書くことになって困っています。お題は『10年後の自分』や『社会人としての夢』など。漠然と『たくさんの知識を得て、周りへの気配りを忘れず、多くの人から信頼される社会人になりたい』と考えていますが、1200字も書けるか不安です。この目標は、社会人としての夢として通用するでしょうか？」と。 多くの大学生、特に大学野球部員は、学業と部活動の両立に追われ、就職活動の準備に十分な時間を割けないという悩みを抱えています。この相談にも、その影が感じられますね。今回は、この相談を元に、就活作文、特に「10年後の自分」や「社会人としての夢」といったテーマへの効果的な取り組み方について解説します。

1200字の作文、一体どうやって書けばいいの？

1200字の作文、確かに大変ですよね。私も大学生の頃、就活の作文に苦戦した経験があります。まず大切なのは、焦らず、段階的に進めていくことです。いきなり書き始めるのではなく、以下のステップで進めてみましょう。

• ステップ1：テーマの明確化 「10年後の自分」や「社会人としての夢」といったテーマは、非常に広いです。まずは、自分がどんな社会人になりたいのか、具体的なイメージを描いてみましょう。相談者の方のように「たくさんの知識を得て、周りへの気配りを忘れず、多くの人から信頼される社会人」という目標は素晴らしいですが、もう少し具体的にしましょう。例えば、「どのような分野で活躍したいのか」、「どのようなスキルを身につけたいのか」、「どのような人々と関わりたいのか」などを具体的に考えてみてください。相談者の方の「趣味や旅行」といったプライベートの充実も、仕事とプライベートのバランスを大切にするという社会人としての姿勢を示す上で有効な要素になります。
• ステップ2：エピソードの選定 具体的な目標が決まったら、それを支えるエピソードを探しましょう。大学生活での経験、部活動での経験、アルバイトでの経験など、あなたの経験の中から、目標と関連するエピソードを選び出します。例えば、大学野球部でチームメイトと協力して目標を達成した経験、アルバイトで責任感を持って仕事に取り組んだ経験などは、あなたの能力や人となりを見せる上で効果的です。これらのエピソードを、目標を達成するためにどのような努力をしてきたのか、どのような困難を乗り越えてきたのか、そしてそこから何を学んだのかといった視点で整理してみましょう。
• ステップ3：構成の立案 エピソードを選んだら、作文の構成を考えます。導入、本論、結論の3部構成が基本です。導入では、あなたの目標を簡潔に述べ、本論では、選んだエピソードを具体的に説明し、結論では、あなたの目標と将来展望を改めて述べます。1200字という文字数があるので、複数のエピソードを効果的に配置し、論理的な流れを作ることを意識しましょう。例えば、1つのエピソードにつき300字程度を目安に、3～4個のエピソードを配置する構成も考えられます。
• ステップ4：下書きの作成 構成が決まったら、下書きを作成します。最初は完璧を目指さず、思いつくままに書き出してみましょう。後で修正すれば良いのです。この段階では、箇条書きやメモ書きでも構いません。重要なのは、自分の考えを自由に表現することです。書き終えたら、一度置いて、客観的に見直してみましょう。
• ステップ5：推敲と修正 下書きができたら、推敲と修正を行います。文章の流れ、言葉遣い、表現方法などを丁寧に確認し、より分かりやすく、魅力的な文章になるよう修正します。必要であれば、友人や家族などに読んでもらい、フィードバックを得るのも良いでしょう。特に、1200字という長文なので、何度も読み返して、修正することが重要です。

大学野球経験は就活でどのように活かせる？

大学野球部の経験は、就活において大きな武器になります。チームワーク、責任感、忍耐力、目標達成能力など、企業が求める多くの能力を磨くことができるからです。 例えば、私の友人で、大学野球部で主将を務めた人は、リーダーシップとコミュニケーション能力を高く評価され、希望の企業に内定を得ました。彼は、作文の中で、部活動での経験を通して培ったリーダーシップやチームワークの重要性について具体的に記述し、企業が求める人材像と自分の経験を効果的に結びつけていました。 あなたの大学野球での経験も、同様に、就活作文で効果的に活用できるはずです。チームメイトとの協力、厳しい練習、試合での成功体験や失敗経験など、様々なエピソードから、あなたの強みや成長を具体的に示すことができるでしょう。大切なのは、単に経験を羅列するのではなく、そこから何を学び、どのように成長したのかを明確に示すことです。 また、大学野球支援機構では、野球に理解のある中小企業への就職支援にも力を入れています。社会人野球クラブチームへの所属や現役選手としての活動に配慮のある企業を紹介することも可能です。

10年後の自分像、本当にこれで大丈夫？

相談者の方の「たくさんの知識を得て、周りへの気配りを忘れず、多くの人から信頼される社会人」という目標は、素晴らしい出発点です。しかし、企業は、単なる理想像ではなく、具体的な行動や能力を示すことを期待しています。そのため、あなたの目標を達成するために、具体的にどのような行動をとるのか、どのようなスキルを身につけるのか、そして、それによってどのような成果を上げたいのかを明確に示すことが重要です。 例えば、「専門知識を深めるために、資格取得を目指します」「コミュニケーション能力を高めるために、積極的に人との交流を図ります」「リーダーシップを発揮するために、ボランティア活動に参加します」といった具体的な行動計画を盛り込むことで、あなたの目標がより現実味を帯び、説得力が増します。 また、プライベートの充実も、仕事と生活のバランスを大切にするというあなたの姿勢を示す上で有効です。ただし、プライベートな目標は、社会人としての目標と整合性を持たせることが重要です。例えば、「旅行を通じて異文化に触れ、グローバルな視点を持つ社会人になりたい」といったように、プライベートの目標を仕事に繋げることで、より魅力的な作文になるでしょう。